押入れ

□特別な日
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ぴりりっと6月のカレンダーを破る。
明日はもう7月。
綺麗に並んだこれからの日々の中で、どうしても目が行ってしまうたったひとつの日付。


<特別な日> 〜片恋Ver.〜


どうしよう。

それは本来唯の数字であって。
何の変哲も無い黒ゴシック体には色気も何もない筈なのに。

なのに見ると胸が、きゅってなってしまうの。


どうしよう、どうしよう。
あとこれしかないんだよ?
まだなぁんにも準備してないのに?

じゅ、準備ってなぁにあたしったら??
別に何か、特別なことする訳じゃないんだよ??


だって、あたしは、ただの、'仲間’なんだから・・・


そっそうだよ、それが当たり前なんだから。
でもせめて、せめて。
「おめでとう」って気持ちを伝えたい。

負担にならない軽いノリで。
負担にならない程度の、ささやかなプレゼントして。
「お誕生日、おめでとう!」って言えたら、それだけで、それだけで・・・


ねぇそのくらいは許されるよね?
’仲間’なんだから、その位はしてもおかしくないよね?


お願い、お願い。
どうかどうか目を丸くして「何で?」なんて言わないでね?
ひょっとして万が一にも迷惑そうになんてされたら・・・あたし消えちゃいたくなるかも・・・


でもでも、もし、もしね。
照れくさそうに笑って「ありがとう」なんて言ってくれたら・・・

あたし、あたしきっと、胸がいっぱいになっちゃうよ・・・?



もう一度見るその日付は7月15日。
大好きなあなたの生まれたその日を、お祝いさせてもらっても、いいですか?
ねぇ、黒崎くん・・・?


         end
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