彩りの始業鈴

□彩りの始業鈴T−5
3ページ/4ページ

『あと・・・・・起き上がらないでね』



少し小声で赤い顔をしている。



・・・?



『あっ、お粥作ったけど食べる?』



急に表情が変わった。



だが、いつもみたいに明るい笑顔じゃなかった。



生憎、今は声が出ない。



「あぁ・・・」



『絶対そこから動かないでね!!』



何かあったのか?



1つ分かったのは、彩鈴の笑顔がいつもと違うことと、俺に動くなって言っていることに繋がりは多分ない。



上体だけ起こすと、額にのせていたタオルが落ちた。



まだ頭が重い。



俺が寝込むなんて何年振りだろう。



『熱いから気をつけてね。



味は大丈夫だと思うよ』



彩鈴が持って来たのは梅干しと卵を入れたシンプルな粥だった。









.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ