cat's cradle.
□狂ったピエロが踊りだした。
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その日…俺は確かに返事をした。
「俺がお前等を壊した…だから元にも戻してやる」
そう…返事をした。
その時の零の顔、嬉しさに安堵…疲労で倒れたが一瞬見せたのは確かな微笑みだった。
俺自身父親と自覚した訳ではない。
けど…
アイツは…幼い頃の俺達とは違い……精神的苦痛を受けた。魅苓の他は言わなかったがまだあるんだろう。二人が毎日ぐったりした様子なのもそのせい。
そうしたら…最近休みがちな魅苓は危ないって嫌でも解ってしまう。
心配?そんなんじゃ納まらない…
それでも冷静になってやることがあった。
怒りが煮える…それを自らの罪で冷静するという自虐行為に苦笑した。
そっと零を執務室に運びソファーに寝かせると魅苓がバタバタと入って来て…
零に抱き着いていた。
無意識なのか解らないがその腕は確かに魅苓を抱きしめていた。
二人しかいなくなった兄妹。
「零っ会いたかったぁ〜っ」
「ん…ごめんな…」
「レイ…今日ね……結構頑張ったから…手…繋いで良い?」
「うん……黙っとけよ?」
「うんっ」
そして兄妹は手を繋いで肩を寄せて眠る。
二人しか居ない。
幼い頃奪われた幸福、一遍して不孝がつづく悲しみ悔しみ怒り。
無力感敗北感…疑心暗鬼になってしまった心。
「零…ママ……」
小さな少女と小さな少年に見えて、気づけば手に力がこっていた。
俺は…
こいつ等に怨まれてもやらなくちゃいけない。
護るために。