cat's cradle.

□一瞬だけ見せて…隠れた月。
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綺麗な姿の隣に千代様のお父様が座っていて話しはすべて千代様ではなくお父様が終始していた。
一言も話さないまま去ろうとする千代様との面接の時間をもらった。



「千代様…子は元気しておるか?」


「……子?そなたは何をおっしゃっております?私は未婚の身子などおりませぬ」




その言葉に汗が流れた。



「零は…どうして……奴の名を名のっておる」


「零?奴?何の事を申しているのか私には全くわかりませんね…白哉さんはおかしなことばかり申されますね」


微笑む千代様。
私は冷や汗が流れた。




「に、兄様……これは…」

「…千代様…何故今頃政界へ?」


兄様は眉間にシワを寄せていた。









「父が望んだからでございます」





以前の千代様とは真逆だった。
それに驚き…あっという間に帰ってしまった千代様。
千代様の居なくなった客室で二人呆然としていた。

あの千代様が子供の事を忘れるなどありえない。
今六番隊で三席をしているのは知っていた。復讐をすると困ってると恋次の奴も言っていた。



「…もう時期は過ぎたのかも知れぬ……上辺だけの時期は来年の春……その頃には…」

「何故千代様は…」

「人為的か…そうでないかは調べるしかない」

「…千代様……」

「あれでは…傀儡同然」



千代様が政界に戻ると何が変わるかと言えばそれは一言で言い表せない。が、多大な影響を与えるだろう。
あの方はそれぐらいのカリスマ性と…天性を持ち合わせている。
それが操られて生じるかは解らない。しかし、千代様のお言葉だと信じてやまない人は多い。それは民衆が多い。そしてどんな貴族にもそれは崩せない。信頼。彼女が積み上げてきたと言っても過言でない。それをすべて利用されてしまえば…神村家が政界を左右させてしまう。

それが一番恐ろしい。
千代様じゃないと解っているから。
だから…あの方は政界から追い出された。だから千代様は四大貴族を辞退なさったと最近聞いた。
千代様は父の行いで自粛して…静かな活動を好んでいた。

それは千代様らしく、前線で活躍する勇姿は誰もが勇気付けられていた。

真逆なのが父様…

二人がこのような形で組まれると大変困る。


千代様を制裁しようにも民衆の声があり、事実として千代様の意見ではないのは誰もが知っている。
それを解っていて止められない。




そして希望は

千代様の子供。




とはいってもこちらに来てから酷な生活だったと噂に聞く。それでもその合間を縫って鍛練を繰り返したのかと思うと尊敬してしまうのもある。が、そこまでして恋次に復讐を望むのか…とも思ってしまう。しかし、二人が勝てば千代様を二人に帰すと言っている。それはとても不条理な条件だった。それでも戦ってる。
期限が迫る。



二人は今元気だと知るのは恋次からの話し呑み。

恋次も知らないんだろう。


自分と千代の子供だと。





もし…恋次が千代様を今も大切に思って居るのであれば……

子供達との和解で最強だと誰もが考える。








それは夏に雪が降るほど誰もが望んで叶わないと今は思う。





「兄様……」



「…誰が原因かなど本当に解らぬな」



「はい…」







原因…それはきっと運命としか言いようが無い。
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