cat's cradle.

□見せてほしい過去。
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帰り道夕日が沈んでいて…少し暗くなっていて私はその日非番で友人と買い物をしていたんです。
街中で二人を見つけて、なにかを楽しそうに買っていました。
そして大きな犬を連れて。

それはただの兄妹の様に思えて凄く微笑ましかったです。


そこで、迷子の子供が居たんですよ。



二人はすぐ駆け寄って凄く心配そうにしている零と一緒に泣いてる魅苓三席。

大きな犬が二人を慰めて居たんです。


『泣くな、男だろう?』

『うぇっうぇええん』
『ふぇええん』

『クゥーン…』

『あーもぅ…良いか?男が泣くのは好きな女が死んだ時だけで良いんだ』

『だってぇーままぁー』
『まぁまぁー…』

『クゥォーン…』


『はぁ…ったく良し、俺もこの姉ちゃんもベリーも一緒に探してやるから』

『ほ…ほんとぉ?』

『ホントだ、俺は約束は絶対破らない男だ』

『ぅ…そ、そうだよっ零はね最高の男なの…だから…安心して?』

『まま…見つかる?』

『あぁ…ママもお前の事探してる…だからお前は泣いてんな…餓鬼は笑ってねぇと…』

『そうよ…幸せは…笑ってる子に来るの』




そうして見つけたんです。
お母さんを。


本当に自分達の事見たいに嬉しそうにしていて……それで魅苓三席なんて泣いて向こうのお母さんに慰められてたぐらいなんですよ。

二人は手を繋いで…仲良く帰っていく親子をずっと見ていたんです。


手を繋いで…ずっと








その話しを聞いて身震いがした。




二人は…此処に居るのは本当に俺に復讐するためだけなんだと自覚したから。

そして何度も千代の声を殺す顔が脳裏に浮かぶ。



それを掻き消すように首を振る。



「解った、変わりに俺がしっかり言っとくわ。悪かったな」



「いえいえ…私より…二人を…」


そう困ったように笑い出ていく。


どうも混乱して、水を組に給湯室に向かう。

ギャップについていけない。
二人は確かに異常に密着していて仲が良い…
その他があるのか?





給湯室では二人が泣いていた。



「ママ…置いて行かないで…傍にいて…」

「俺達こんなに強くなったんだ…あのオヤジの言うとおり…二人で副隊長になるから…だから」

「私達を記憶から消さないで……」







零は解ってるんだろうか?
副隊長が二名なんて無理な話しだ。
それでも?




お母さんがなんだってんだ?



履歴書には父母の名前は書かれて居た。






「早くしないと…ママが…」

「早くしないと…ママが…」



他人になってしまうよ…










呆然とした。
その言葉の意味に…言俺には想像つかない巻き込まれてるのか?
それとも…

俺は何かに巻き込んでるのか?

不思議な事に二つの考えが頭を過ぎった。
翌日…二人は散々な悪戯を始めた。
それは悪戯で納められるのかは解らない。
けど…二人はなにか焦っていた。



なにか迫ってるようなそんな緊迫すら感じ取れた。



机になにか仕掛けてあるなんて日常茶飯事。

扉になにかあるなんてもう当然。

椅子にはペンキ。
この間は接着剤だったか?お茶には胃薬と睡眠薬が大量に仕組まれ書類は二日分だされる。

それは互いにかなりの疲労蓄積となっていた。


俺より二人は疲れぐったりしている。

私生活をしらない。
コイツ等は特別に自宅に帰っている。二人暮らし…と書いてあったがそれのせいか?とも考えたがお弁当は何時も豪華だった。
それはそれは高級な弁当屋の弁当ぐらいに。

死覇装だって髪の毛だって乱れて居たことはない。けど…日に日にやつれていった。
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