cat's cradle.
□Start。
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派手な容姿。
華やかでこったこたに着崩して、アベックで腕を組んで歩く二人はよく表情が似ていた。
ちゃらちゃらしている服の割に品格のある表情顔付き…そしてオーラ。
堂々と歩き。
少年は何かを思い現実を見ていない瞳。
少女はニコニコしていて、現実を捩じ伏せようと企む。
二人は…復讐の為に帰ってきた。
総ては復讐の為。
「ハジメマシテ隊長、副隊長っ♪」
「…ハジメマシテ」
ゾッとする様な少女の笑み。
何も感じられない表情の少年。
そして二人は自らを偽る。
「阿散井零です」
「阿散井魅苓でぇす」
ヨロシクと言いクスッと笑う少女。
周りが呆然とする中一人だけ…目を背ける。
そして…
「今日から三席です」
その声が「何時でも貴方の背中を狙ってます」と聞こえた。
阿散井…なんて苗字は珍しい方だと思っていた。
自分以外居ないなんて過信していたつもりは無いがどうしてだろう?
こんなにも緊張がとまらない。
「なんかさぁー今日から新入社員っていいよねぇ〜初々しい?」
それを自分で言うな、と思いながらも副官室に案内する。
「ねーいつまで続くのこの廊下ー」
「馬鹿となんとかは高いところを……ってやつじゃね?」
「いや高くないし」
「はーんじゃ大奥?」
「今どこ行くか解ってるよね!?」
「…仮眠室」
「ばかーしっかりしてーまだ一時じゃないから!昼寝の時間じゃないからね!?」
「…え?…魅苓…これ」
腕時計を見せている。
「あー電池変えなきゃ…もう…あっ」
魅苓の腕を引っ張り見てる。
まだか…と呟きぎゅっと腕を掴む。
二人は兄妹なんだよな?
と誤解してしまいそうになる。
「…こっちみんなよ副隊長」
「零っ…!?」
ちゅっと音が聞こえ魅苓の顔が零の頭で隠れる。
っ!?
なんか…すげーの来た。
それが俺の二人の第一印象だった。