The girl stared at the boy.


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神田の驚いた顔。
僕の記憶はそれが最後。
先月。眼鏡に言われた。

僕はまた、あの牢に戻った。


カノンを調べる為に。


眼鏡なら、手荒にはしない。
もしもがあれば僕がすべてを壊して無に返すだけ。





「マリ、ありがとう」


「すまない……千代」




鍵をかけるマリ。本当ムカつく眼鏡だ。
だから精一杯笑った。


「こっちの台詞だよ……マリ………本当…ごめん」





困ったように笑いながら立ち去る。
あんな顔させてしまった。ため息をついて、ベッドに倒れた。


光が射さない此処は辛いな。
いや、元に戻っただけだ。
今更辛い等ふざけている。


「はははっははははっ………どうしたんだ、僕は……ははっははははっ」






人間達が怖いと思う気持ち。
久しく感じていなかった。




闇に延ばされた手は彼女が掴み、僕は抱き着いた。



光り輝く君は、僕の月だから。




「ねぇ、カノンッ僕は人間が怖いって思うんだ……もう嫌なんだ……」


『千代……』



「僕は…どうして………君を殺してしまったんだろう…………君と一緒に死にたかった…何故、何故僕は………」







――――――生きているんだ?









らしくない。

僕らしくない。
僕らしくない?
誰なんだ?
僕は何者なんだ?
僕は友を傷つけ、悲しませることしか出来ない。

僕は死ぬ事も出来ない。生きる意味も無い。どうして!?



何も何も出来ないッ


何も僕は非力なんだ……









『千代、少し眠って休んで…今はあの人に………』




「……好きだ…カノン」







君は僕を見ていてくれる。
そんな君が好きだ。
君の傍は落ち着く。
なのに、なのにな?



変なんだ。アイツが僕の中に入って来る。








「僕は、君を悲しませることしか出来ない………」






『私は幸せよ、千代………』




おやすみ…………




僕はもう疲れたよ………
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