The girl stared at the boy.


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「成る程……貴女らしいですね」


「あはは…教団に捕まって地下に幽閉されてたんで、手紙も何も出せなくてすみません…」



教会の椅子に座りシスターと話していた。

神田は教会のマザーに案内されていた。



「手紙は良いのよ、貴女らしいもの」



笑われちょっと照れ臭かった。

すぐにその笑顔も曇り私の頬に手を当て悲しそうな目をする。

「ただ…幽閉されて黙って居たのは安全だったから?それとも人が怖くなったから?」



「……どちらもです。私はノアに誘拐された時言われたんです……」





アナタハ、カワイソウナ人デスネ





「私は…自分が嫌いです。だけど、可哀相なんて初めて言われて悩みました…考えるにも調度良かったんですよあの場所は」




苦笑したら抱きしめられた。
驚いた僕は固まってしまった。
シスターの鼓動が僕の鼓動に似ていて安心もした。




「可哀相な子なんか居ません。人と違うのは皆それぞれあり、それを解り合うのが大切なんです。」



シスター。
それでも僕の力は強すぎるんだよ…



「貴女は特別力があるだけ。それが貴女の全てなのですか?それが貴女自身なのですか?」




僕の顔を見るシスター。
僕は首を振った。
違う。
僕は力が全てじゃない。
この力が僕なわけじゃない。

シスターの肩に額を着けた。



「辛いよ、シスター。それでも世界が求めるのは僕なんかじゃない。僕の力なんだ……それは否定しても仕切れない事実。」




「千代………」



「でもシスターだけは、僕じゃない私を認めて求めてくれて…此処は私の居場所だって解るよ………人間だって実感出来るから」







泣かせてしまった。
シスター、ごめんなさい。
だけど大好きです。お母さんみたいで、安心するんですよ僕が素で生活出来る此処
僕の実家みたいで

























「良いのかよ、シスターの癖に立ち聞きなんかして」



歳老いたシスター、マザーと教会の餓鬼達には呼ばれているらしい。にっこり笑い頷く。



「貴方は随分、千代と仲が良さそうでしたからね」


「仲が良いわけじゃねぇよ」


「千代は外ではあまり表情を見せない子でしてね、だけど神田様、お間違えなさらないで下さいね?」






千代は普通の女の子なんです。
中身は普通の何処にでも居る女の子なんですよ。



何を考えて言ったんだかしらねーが、その言葉だけが頭の中で復唱していた。




「千代」


「はい!」



マザーが千代の元に行くと、嬉しそうに微笑む。


「あんなに大金貰って良いのですか?貴女は大丈夫なのですか?」



「大丈夫ですよ、お金はあの二人や子供達の衣食に使って下さい、僕はこんな事でしかシスター達に感謝を表せないんで」





俺が居たら、男をよそう。
端から見たら普通に男だ。

少し成り立ちの良い男、ただそれだけだ。
なのにあいつは女。



「神田、何ぼんやりしているんだい?置いてくよ」


教会のドアの前で言う。返事をしようと思えば後ろから餓鬼達が走り抜ける。
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