The girl stared at the boy.


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「ユウ〜おはよう〜♪」




私は気付いたの。
千代が、彼には少し違う事を。




神田ユウ。
それが彼の名前、彼は入って来るなり千代に書類を貰いパラパラと見ていた。




「馬鹿兎達は?」



「んー?Jr.は昨日仕事サボったからね一日中させるつもり」


「…チッ」






うっかり持っていたマグカップを割りそうになったわ。
千代に舌打ち!?
何様!?

相変わらず千代は、書類を書きながら話す。

私は茶菓子に手を延ばす。



「今回は僕等二人かァ華が無いなぁ〜まったく、ま、ユウは女っぽいから我慢するか」



「殺す……」






殺す。
私が貴方を今すぐにでも殺したいわ。
どうして、千代とイチャイチャ…
アレンよりはましだけど…
あーもぅ嫌な奴思い出しちゃったわ!ハーブティーハーブティー…





「あーはいはい、ん?カノン僕にもその茶菓子くれないかい?」






「はい、あ、でもこれチーズ入りですよ?」



「もぅなんでもいーやお腹空いて…」





神田ユウの隣に立ち、千代に、バスケットごと渡す。


ちらっとこちらを見たら微笑んでやったのに、フィッとそっぽを向けられた。




「お腹すいたー…ッ!」




神田ユウはいきなり千代の額に手を当てる。




「熱じゃねぇな」


「熱なんかねーよ」


「テメェ眠いんじゃねぇのか?」


「別に、全然、ちっとも」



千代、それは逆効果よ…

神田ユウは私の隣に座り小さくため息をつく。




「お前俺と来い」


「どうしてですか?」




営業スマイルをするが無視。
失礼というか、節操の無い人だわ。




「良いですよ、だけど貴方が倒れても血ダルマになろうが私は助けませんからね」



「上等だ」




こうして、私は千代の為に神田ユウと行動をすることになった。













欝陶しいゴーレムが付き纏う。



監視されているみたいで嫌だわ。
第一私、エクソシストじゃないんですけど…何て言ってもこの監視からは解き放たれないわね。



溜め息を一つつくと船を下りた。







「千代の話しじゃこの辺りね」



「……構えろ」




辺りを再度見渡せばアクマばかり。



「ねぇ、ゴーレム、神田が捕まえといてくださる?」




そう言えば舌打ちをしてゴーレムを真っ二つにした。嫌だわ、こんなに暴力を振るう人だなんて。




「これで文句ねぇだろ」



「そうね」





だけど、正直助かったわ。

刀で戦う彼を背に私はポケットから、小型のナイフを取り出す。



「統べては友の為に…」




私の力は、千代には追い付かない。だけど、エクソシストの力でも無い。

ただ、姉さんが私にくれたこの力。





「罰刀、刹那……」





大きな鎌の形に変わり、私は軽く助走をつけ跳ね上がる。

空をふむのはたやすい。この力では、簡単だ。



鎌を振りかざし、アクマを消していく。


多いだけある。


千代が任されのも解る。だからこそ、腹ただしかった。




「本当、うるさい奴ら」





千代を使うのが。
千代をモノ扱いするのが。
千代を駒扱いするのが。



私には許されなかった。




何故、千代なの?






「みんな、等しく散れば良いのよ」





アクマもノアもエクソシストも人間も………



千代を傷つける事しか脳が無いなら死ねば良いわ。


何も知らないくせに。千代が今までどんな気持ちだったか。
千代がどれだけ苦しかったか。
どれだけ自分を憎んだか、知らないくせに!!







「神田、終わっちゃった☆」


「あぁ、戻るぞ」






反り血を浴びている神田ユウ。彼と会話している時の千代は…




神田、貴方は千代をどう思っているの?





貴方と会話する千代はね、とても傷付いた顔をしているのよ。
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