drylove
□そして
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「ふぅ……変わらないな…」
名無しさんは、溜め息をつき瞬歩で向かう
向かう先は決まって居た。
詰め所通りに着きとことこ歩く
『認識』が働いて通り過ぎても名無しさんを『認識』出来ないのだ
「名無しさん」
引き止められる
名無しさんは自分を呼ばれた事に驚きも振り返ると、知ってる顔がある
「あら、朽木隊長私が解るの?」
「当たり前だ、それより何故此処に?」
「総隊長様に御呼び立てされたの」
白哉は、眉間にシワを寄せる
名無しさんは不器用に笑う
「恋次に会ったな」
「会ったよ、元気そうだったね。相変わらず堅物な顔してたけどね」
「………そうか」
白哉には沢山お世話になった
沢山……相談にのってもらった
だから…
「また、後でね♪朽木隊長」
手を振り去っていく
出会わなければ良いと願っていた
彼女が傷付くのは目に見えていたことだから
「使えぬ犬だな……」
「名無しさんーーーーーっ」
「ふんぐッ!?」
真横から誰かに抱き着かれる
谷間らしきのに顔を押し付けられる
名無しさんは、真っ赤になり両手をばたつかせる
「名無しさんッあーんた、いきなり居なくなるんだもんもう、バカバカ」
「らっ乱ちゃ…ぉわッ」
引き離され呼吸がやっと出来る名無しさんは、ふーと息をする。
目の前には泣き面の乱菊
「おかえり…名無しさん」
「ただいま乱ちゃん」
乱菊の頭を撫でる
そこに不機嫌そうな冬獅郎が出て来る
「松本…いい加減に…なッ何かあったのか?」
「……隊長…」
「あ、乱ちゃんまたね」
日番谷は、忘れている
そう直感した。
悲しくはない、それが当然だったのだから今更何とも思わない。
だけど乱菊が気遣うのでさっさと立ち去る事にした。
「誰だ?アイツ」
「………恋次の妻になる人ですよ」
乱菊の苦笑に複雑な顔をした。