drylove

出会い
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「名無しさん〜」


夏バテ気味の怠い声
やけに五月蝿い蝉の鳴き声に余計に苛々させる。

「んん?」



アイスをごっそり抱えて扇風機の前であぐらをかいて一人涼んでいる


「一個〜いーっ個くれ…」

「ダメ、てゆーか幽霊が何を言ってるの」






此処は浦原商店


私は神村名無しさん
元死神
今は人間もどき


クーラーが無い家で涼しくしようと幽霊を集めてみたものの…




「暑苦しい……」

「名無しさん〜ちゃーん」



今時有り得ない、つーかこの暑さ…


「ありゃりゃ無視は無いでしょう」


「喜助…居たの」



「今日はお客様が多いですねぇ、こちらも人の事言えませんがねぇ」







名無しさんは眉間にシワを寄せた

喜助は相変わらずアハハと笑っている。




「今日は解散」


そう言うと早々居なくなる幽霊達






名無しさんは怠そうに立ち上がり部屋から出ていこうとする。




「扇風機は渡さないからね」





浦原は苦笑する。

扇風機とアイスを抱え短パンとキャミの名無しさんはブラの紐がだらし無く下がったのを起用に上げながら出ていく



戸を開け出ていくと客らしき人影があった。服装を見て込み上げてくる笑い

睨み付けてくる客の顔を見て加えていたアイスを取る




「あんた、酷い男だね」



「あぁ?」





名無しさんはアヂーと言いながらぺたんぺたん歩きながら部屋を出ていく







「阿散井サンどうぞ」



「あぁ」








気にかかりながらも浦原に従う恋次








ーあんた、酷い男だねー











見上げられたのに、見下された気分だった







心に残ったのは図星だったからかもしれない
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