cat's cradle.
□歯車。
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嬉しそうに走っていく。一護は今だに零を抱えている。
「いっち!みぃ、どぉ?」
少し澄ましていて「可愛い?」と聞かないレイに笑っていた。
一護も調子に乗って可愛いと褒めていて…馬鹿ね、レベルが一緒じゃない。と笑っていた。
こっちに来てもう四年が経つ。
笑顔が増えた。
笑う時間が増えた。
向こうに居た時より…
「ママーじかんー」
「え?あ、あぁああっ!」
もう八時をさして居る時計。慌てて一護から零を貰い、魅苓とお揃いのデザインの服を着せ黄色の帽子を被せる。眠って居ながら立ってる零。
ため息が出そうだ。
けどちゅっとキスをしてやると、最近は顔を赤くして抱き着いて来る。
チャド君遅いなぁと思いながらも私も鞄を持って、零を抱えながら一護の傍に行く。もうレイの機嫌が良いことこの上ないという表情で一護に抱っこしてもらっていた。
「よし、行くか」
「うん!」
「ちえーやー…」
そう言い泣きはじめる処に、玄関を開けるとチャド君が立っていた。
子供達はビックリして、でも次第に笑顔に変わる。
「ちゃぁーだっこー」
「みぃのがだっこー!!!」
「お早う、零、魅苓」
「はようーちゃぁー」
「はよーうちゃぁ」
偉いと褒められ本題を忘れる二人。結局魅苓が肩車をしてもらい機嫌が良さそう。そして零はまた寝ている。
ズッシリとおもいなぁと思いながらも愛おしい。
矛盾する思考。
これが私が生きてる意味、理由だから。
小さな二つの命。
護るもの。
「いっちーままー」
「おぅ」
「あんまり暴れないの!危ないから」
「はぁーい」
「魅苓はいい子だな」
「そうね…零もいい子よ?」
「親バカが始まるからやめとけチャド!」
「むぅ…なによー可愛いんだもん」
「あ、そういえば二人の誕生日に何にするか決めたのか?」
「話し反らしたー」
「ら、来月だろ?」
「そうよ、けどもうね決めてるの」
ふふっと笑う。
二人は首を傾げる。
「もう一人家族を迎えるの。」
パパを教えてあげられ無くてごめんね?
それでも…ママを好きと言ってくれてありがとう。