The girl stared at the boy.


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頭を押さえさっきから目を閉じている紫紅。
私を見つめ、口を開く。



「何したんだ?アイツに」


『………』



「まぁ、時間はたっぷりあるみてーだし、説明しろよ、女神」




紫紅は、私を女神だと言う。理由は良く解らない。だけど…カノンって呼ばれるよりはマシだった。


千代の記憶を見切れなかったらしく、聞いてくる。



紫紅と千代は一つ。





『そうね、まずはクロス様の処からね…』
















紫紅は、男。千代の中の男。

彼は、千代の処理出来なかった感情。溢れた感情の塊。彼はそう言っていた。





私が初めて会ったのは夜だった。ふらふら歩く千代を見て、丘以外で見かけるのは初めてだったから。




千代はあの頃から気持ちの処理を上手く出来ていない。



だから、彼は荒んだ目をしている。







だけど、彼の言う通りこれは千代の一つ。
彼も千代なんだ。







千代とは全く喋り方話し方、笑い方、怒り方、困り方全てが違う。
一つ一つの仕種は男の人。













「で、馬鹿千代は、うじうじしてると?」

『……』




ため息をつき、頭を抱える。




「バッカじゃねーの、お前は中学生かって、女神が悪い訳じゃねーよ千代が、悪い。本当女ってーのはうじうじ面倒臭いな」



『貴方が楽天家なだけよ』


「へーへー…にしても…………ひでー場所だなぁ」

『雨風しのげるだけ、マシよ』












「女神の妹かぁ〜楽しみだなァ」







何考えてるか解らない。
一言で言えばそんな奴。
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