The girl stared at the boy.


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任命書

貴殿の地下、拘束、視力剥奪を解除。
より、今日付けで特務司令官に抜擢する。
以後、名は神村千代と名乗る様。
尚、監視を二名付ける。


以上。






今、僕はどんな顔をしているんだろう?


笑っている?
怒っている?



「マリ、めが…コムイ室長に合わせてくれ」

ごめんね…マリ





「はい…」






僕の力は有能すぎる。


僕は彼に命令をし、地上に出た。


二年ぶりの地上は眩しくて…懐かしくて…
地上に出るまでにも何人か兵士が居たが僕には問題ではない。



それらを引き連れ、廊下を歩く。


赤いマントを被る僕。






皆すまないね、もう少し僕を匿ってくれ。






「各自持ち場に戻れ、マリも……強引にすまないね」





倒れたマリを片手で支え、戻り行くファインダー達を確認し、僕はマリを背負い司令室に入る。

ノック?ちゃんとしたよ。
マリの脚でね。






「失礼するよ、っと」




ソファーにマリを下ろしマントをかけてやる。

僕の髪の毛は、目立ちすぎるから…



「千代!?」


「あ、Jr.?」




入って来たJr.は目を丸くしている。


コムイ室長は気を使いJr.を追い出す。

僕はソファーに座り足を組む。
足の踏み場も無いという言葉の代名詞だなと思いながら眼鏡が椅子に座るのを待つ。



「久しぶりだね、千代」


「どーも、室長」


「手紙読んでくれたのかな?」





早速本題か、まぁ談笑しに来たわけでも無いが、話しの変わり様は清々しいな



「読んだよ、あんなに愛の無い手紙初めてだったよ」



「あははっ」







別に眼鏡は嫌いじゃない。が、好きでもない。ただ、それだけの関係。



「ただ、室長はマリを虐め過ぎだ僕はそれが気に入らなくて来ただけだ」





あの文の内容をマリは知っていた。多分この馬鹿眼鏡が説明したんだろう。
だからイラッとした。
僕とマリは中が良いと知っていたから。
伯爵より達の悪い眼鏡だ。
Jr.でも、ブックマンでもないマリにしたのは彼が僕に近づいている癖に何も得られない当て付けだ。





「ははっ千代、僕だって二年も待ったんだ」


「室長の甘さに苛々するから手を貸さなかっただけだよ」




護る為に仲間を犠牲に、そして同士を犠牲にしてしまう甘さに、苛々したから。



眉を下げて笑う眼鏡。





「僕が此処に居ると、知れたらチョビヒゲ怒るんじゃないのか?」



「そう、そのことで話しがあるんだ」










室長。
アナタがそんな事を提案してくるなんて嬉しいよ。
アナタは僕をもっと利用すれば良い。
己の手足の様にね。
それで苦しむのは誰だろうか






「成る程、良い案だね。だけどばれた時のリスク、背負い切れると思えないね、室長の首一つで足りる話じゃない。」



「ばれない様にやってよ、千代」




「良いよ、だけど条件着きだ」









監視はあんたの妹と、Jr.だ。
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