愛+曖昧模糊


□3.腰に響く低い声
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「それでですね!劉輝ったらね―…」

「ふふっ」

この人のお姉さんみたいな存在らしい。
劉輝の愚痴と職場の愚痴を言いながらバクバクお饅頭を食べている秀麗ちゃん。




「そういえば、姉様は藍将軍とはどうなんですか?」




話しをふられ驚き顔をつめる。


「聞きたい?」

「はいっ、ぜ、ぜひ!」

「あのね―…」




咳ばらいが聞こえクスクス笑うと秀麗ちゃんは慌てていた。


「あ、あ、あ、お、お邪魔しています」


「お帰りなさいませ」

「ただいま千代、秀麗ちゃん、いらっしゃい」


少し不機嫌そう。
最近…周りに関わりすぎて気に入らないのかもしれないわね。
絳攸様や秀麗ちゃんは楸瑛様のお仕事仲間であり友人ですからね。出過ぎているのかもしれない。




「秀麗ちゃん、もう遅いですしお帰りなさい」


「え、でも…ぁ」



含み笑いをする。


「お邪魔ですね」

「え?いぇ、違うのよ!」

「ふふ、では失礼しますっ」




立ち去る秀麗ちゃんを追えず足、膝が軋む。
日記を手にして楸瑛様を見上げるとため息をついていた。



「お疲れの所、すみません…」

「…いや、良いんだよ」

「私は離れに戻りますね」



一礼して客室を出る。


本当は、秀麗ちゃんに話す話しなんか無くて、楸瑛様と話す事も無いんだわ。








一人部屋に戻り眠る。




「奥様、お時間です」







嫌がるのも疲れ薬を飲む。

苦みさえ感じる事は無かった。













鼻歌が聞こえる。

使用人が歌っているんだ。





「ごめんね、万里」















あれは…確かに……私の…
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