愛+曖昧模糊
□8.望まないのは要らないから
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毎晩毎晩、私は窓を見下ろし見つめていた。
寒そうな人影。
私は…身体が冷え切るまで"寒い"と思わなかった。
ある日。
決まった時間に居た彼が居なかった。
翌日も。
居なかった。
翌日も翌日も…彼は居なかった。
私は感じたの。
必要性が無くなったんだと。
悲しいより
ぽっかり
胸に穴が開いたみたい。
何も感じなかった。
ただ、窓から下を見る事はなかったの。
変わりに夜になると恋次が来て、添い寝してくれた。
夜になると身体が冷え、震えるのに恋次の体温を感じるとゆっくり眠れたから。
「恋次……」
「ん?」
「…寒い」
そう言い抱き着くと強く抱きしめてくれた。
ねぇ、
恋次。
私
何も考えられないみたい
そう思い眠りにつく
壊れるなら早くして
時々誰かが言うの
わたしも
わたしもそう思う。