愛+曖昧模糊
□4.卑屈。基、事実
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雪が降り始めた朝。
千代は目覚めた。
そこに立ち会ったのは恋次だった。
その報告を受けて来たのは恋次だった。
副官室で二人っきりになると、はっきり言った。
「李夏とは結婚しないんですか」
「は?」
「いや、先輩とお似合いだし、李夏可愛いからそれにもう長いらしいし…」
さっさと千代から退けろと?
「千代も起きたし、ウチに貰いたいんですがお願いします」
「お前…さっきからなんなんだよ、つか、ウチは人手─…‥」
「トレードしましょう、ウチから二人出しますんで有能なの、だから千代をください」
「そういう問題じゃねぇだろ」
「千代から預かって来ました」
渡された封筒の中には移動願い。千代の直筆だった。
「お前が書かせたのか」
「千代の意識です」
「そんな訳ねぇだろ!!」
胸倉を掴むと恋次は力無く呟いた。
「自惚れないで下さい。浮気で幸せになれる女じゃないんですよ。アンタが離れないから千代が離れるだけ。千代の意思ですよ」
卑屈な考えを事実だと言った。
君を愛してるなんて今更過ぎて口にも出せない。
35時間後俺は目の当たりにする。
君が俺じゃない男と楽しそうに歩く後ろ姿を。
Hello,Hello,good-by
(あの日見た凛とした後ろ姿)
(君が笑う)
(君が話す)