愛+曖昧模糊
□4.卑屈。基、事実
1ページ/2ページ
しばらくして千代は意識不明になった。
一度だけ"副隊長として"病室に行った。
苦しそうに眠っていた。
恋次は泣き崩れていた。
千代は…
刺された。
通り魔なのか私怨なのかは解らなかった。
だけど…恋次は何度も千代に謝って毎日病室に行っていた。
「千代……お前が悪いんだ…いつまでも夢を見てるから」
「だから…俺が傍に居たんだ」
「馬鹿だな…刺されて抵抗しないし助け呼ばないなんてあるか?」
「なんでお前は変なとこ諦めが良いんだよ」
「なんで…俺をすぐ呼ばないんだよ」
「俺を選ばないんだよ……」
見つけたのは買い物途中の阿近さんらしい。
のっそのっそと四番隊に来たとか。「死んでも良いらしいんで」と言っていたとか。
ナイフは技局に持って行かれ、報告は上がっていない。
「あの時…千代を掴んで離さなきゃ……花火買いに…飲みに誘わなきゃ……檜佐木さんに鉢合わせしなかったよな…辛くさせなかったよな…中途半端で…ごめんな」
俺のせい?
違う最初に誘ったのは千代だった。
俺は悪くない。
俺が好きなのは李夏で、千代じゃない。違う気の迷いだ。
「愛してる…千代」
「起きろよ…千代っ」
いつから恋次は千代が好きなんだろう。
千代は眠ったまま。
俺が千代を手放せば終わるんだ。
「手放せねぇんだよ…‥」
俺のは自分勝手で恋次は愛情なんだ。
見せつけられる程縛りたくて好きになるんだ。