愛+曖昧模糊
□8.錯乱状態の狂った声
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「奥様!」
一瞬思い出した全てに。
私は嬉しさ悲しさ喜び寂しさ愛しさ罪悪感。
庭で燃やす私。
明日の自分を殺す為に。
明日の自分を生かさない為に。
「良いのよ。これで、終わり」
「誰か、水!水を!」
「万里」
「!」
私のたった一人の親友。
ここまでついて来てもらった親友。
「ごめんね、いっぱい迷惑かけて、酷い事させて…」
「千代…?おも、いだ…」
「少しずつ、解らなくなってるわ。だから、今のうちに言っておきたかったの。」
「っなんで、燃やしているの?」
「楸瑛様にバレてしまったんだもの。もう、終わりよ」
「なんで!?楸瑛様はきっと千代の為にしてくれるわ!あの方なら貴女の為に悩んで下さるわ!」
「それはきっと、あの方が望んだ妻じゃないわ。」
「全て許すのは愛じゃないわ」
「あら、許してないわ。ただ、嘘をつく私より酷い事はしていないでしょう?」
「珠翠様の事…」
重い口調で切り出した言葉に私は笑った。
「そんなこと…今更よ、ただ、それを今日の私が理解して思い出して、妻を邪魔だと千代は理解しただけ。愛されるのが怖くて待っていて、少し疲れたの」
「私はっ私は千代に…」
「今まで幸せだった。だから明日の私には…苦しんでもらうの」
明日から。
言葉も喋れない。
何も理解出来ない。
お人形になるの。
万里を抱きしめる。
「万里、ずっと親友って言ったの取り消すわ。大好きよ、万里。」