愛+曖昧模糊
□1.甘えた猫なで声
1ページ/3ページ
「千代」
貴方は機嫌が良いときだけ、私に甘えるの。
私は何も知らないふりをして甘えさせてあげるの。
しがみつく貴方の腕を受け入れる。
上手く騙せてるはず。
隣でしがみつき眠る楸瑛様から離れて、書物を読む。
ただ、ただ、涙をこらえた。
いつもと同じ
時間通りに貴方は目覚める。
楸瑛様。
私は胸が痛くて
苦しい
貴方は優しく酷い。
でも、いつか。
そうも思わなくなる
きっと私は楸瑛様を解放出来るのね。
窓辺に伏せて貴方の帰りを見つめる。
早く帰ってきて。
そう願って。