NOVEL〜コハク〜
□「愛しい君へファンファーレ」
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「何をしちょるんじゃ?」
坂本が陸奥にたずねた。
陸奥はソファーに座り、高く積まれた本に囲まれていた。
「見ればわかるじゃろ。本を読んどるきに。」
「本?何の本を読んどるんじゃ?」
「全宇宙から集めてきた本ぜよ。
わしが今読んどるんは政治の本じゃ。」
「また堅っ苦しい本じゃのー、陸奥は。」
坂本はそこらへんに積まれていた本の中から、
一冊をひょい、と手に取った。
「読んでみてエエか?」
「破らんかったら別に良いぜよ。」
パラリ、と本を開き始めた。
「ほぉー、この本ば地球の花がいっぱい載っちょるき。」
見たことのある花の写真や、聞いたことのある花の名前がズラリと並んでいた。
適当に本をパラパラとめくっていると、
“誕生花”という項目欄に目がいった。
ピタリ、とめくるのを止めた。
「陸奥、“誕生花”とは何のことじゃ?」
「その誕生日にちなんだ花のことぜよ。
全部の日付にいろんな花が当てはめられとるんじゃ。」
「面白いのぉー、どれどれ・・・。」
坂本は自分の誕生日の項目を探した。
11/15、11/15、11/15・・・・
あ、あった!
○11/15・・・バラ(オレンジ)
花言葉・健やか、無邪気。
「アッハッハー、なんか子供みたいじゃのー。
そうじゃ、陸奥んのも探しちゃる。」
パラパラと本をめくる。
7/7は、と・・・。
あった!
○7/7・・・ギボウシ
花言葉・冷静沈着
「おぉー、ピッタシすぎて言葉が出てこんぜよ。
なんか占いみたいじゃのー。」
そうじゃ。
坂本は8/10の項目を探した。
8/10は・・・・。
あった。
○8/10・・・リューカデンドロン
花言葉・閉じた心を開いて
ピタ、と坂本は手をとめた。
目は8/10の項目にくぎ付けだった。
閉じた心を開いて。
坂本はバタン、と本を閉じた。
すると、急に一目散に廊下へ走っていった。
陸奥は驚いて振り返る。
「おま、どこに行くんじゃ!」
「高杉ん所ぜよ!」
坂本は大声でさけんだ。
「何か急に高杉が会いとう言っちょるような気がしたんじゃ!
じゃけん、チクとばかし出かけてくるぜよー!」
坂本の足音がだんだんと小さくなっていった。
今、君に会いたい。
今じゃないとダメなような気がする。
すぐに君を抱きしめないといけないような気がするんだ。
だから、君に会いにいく。
すぐに君に会いにいくよ。
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花言葉って、萌える要素の一つだと思います。((真顔
あ、上に載ってる花言葉は、ちゃんと調べた正しい花言葉ですよ;
必死こいてググってきました。
疲れた・・・。