捧げ物

□春季午後の睡眠交流
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 つい、つっつきたくなる衝動を抑えて自分の身体を上にずらす。
 ある程度上半身が自由になった所で、丁度首が私の肩に入っている状態だったネウロの頭をそっと持ち上げて、自分を枕代わりにしてあげる。
 寝苦しそうだと言うのもあったけれど、何より私の心臓の為に。



「あ〜あ、これじゃ動けないなぁ…。」



 うっかり寝返りも出来ないから眠れもしないし

 この野郎、と小さく呟いて彼の顔にかかっている金襴の錦糸のような髪の毛を払う。
 露になった顔は、普段のこいつからは想像出来ない位穏やかで、こちらまで毒気を抜かれそうになった。

 何歳位をイメージしてるか知らないけれどきっと、歳相応よりも幼く見えるだろう顔。
 普段は白磁器のような瞼の下にある魔人に戻った時も変わらない、宝石のごとき瞳を宿す硝子玉のような目のせいか幼く見えたりはしないのに。



「…魔人…か、寝てても戻ったりしないんだね〜…。」



 気を許されて無い感じでちょっとだけ焦燥感が胸をよぎる。



(イヤイヤイヤ!?何寂しがってんのよ私!)



 ぶんぶんと首を思い切り振って、浮かんだ変な感情をかき消す。
 別にこいつが誰に気を許してようが無かろうが、私には微塵も関係無いではないか。



 一人納得して再びネウロに視線を戻せば、私の葛藤など露知らず眠り続けていた。



「ネウロは…寂しく無いの…かな…?」



 春の陽射しと動けない事実にだんだんと瞼が重くなって来る、目を擦ったりして反抗はしてみたが眠気がどうにかなる事は無くて、私もとうとう夢の中に落ちて行った。


その中で一つだけ動く影



「寂しくは無いのかだと…?…     。」



 私が知るよしもない夢見る間の小さな呟きは、春の風が拐って行ってしまった。










∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇∇

∇例えば君に願うならば
の酔蝶花様へ

まずは、相互リンクありがとうございました!
相互リンクはやっぱり嬉しいですねv


リクエストは
「お昼寝ネウロ」
だったのですが、きちんと消化出来てますでしょうか?(ドキドキ

春は魔人でも眠くなるんでしょうかね〜…。
とか、考えていたら魔人様が随分人間っぽくなってしまいました(汗)

それに視点は弥子ちゃんですし…orz



これでよろしければ貰ってやって下さいませ!
酔蝶花様、本当にありがとうございました!
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