小説
□記憶の中に…
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『アスラン……』
俺の頭の中に残る声……アスラン……懐かしい声で……
瞼を閉じると誰かがその名を呼ぶ……
『君は一体誰なんだ……君の事を考えると何かを思い出しかける……』
俺は一体なにを忘れているんだ……なにも思い出せない……俺は一体………
梅雨に入り雨も降り続ける夜だった……道端では交通事故があったようで人だかりができていた…その横を気にも止めずに家に帰ろうとしていたキラ・ヤマトがいた…。
『早く帰らなきゃアスラン待っているだろうな♪なんて言ったて今日は二人で暮らし始めて一年目の記念日なんだから♪』
スーパーで買い物をしたらしく手にはスーパーの袋を持っていた…
─ガチャッ─
『ただいま〜♪アスラン待った?』
キラが帰ってみても入るはずのアスランは居なく部屋は真っ暗だった…
『あれっ?アスランまだ帰ってきてないんだ…今日は早いって言ってたのに……↓』
二人で居るときは狭く感じた部屋も一人だととても広く感じる……
『先に料理始めちゃおう……』
二人で一緒に作ろうと約束して買ってきたカレーの材料をキラは調理しはじめた。
『アスラン遅いな…』
もうとっくにカレーは作り終えていた……
『なにかあったのかな?』
キラは不安になりアスランの携帯に電話をした
─プルルプルル…ガチャッ─
『アッアスラン?』
「ハイ!!アスラン・ザラです。今は電話に出ることができないのでメッセージをどうぞ」
─ピィー─
『アスラン!!キラだけど…なにかあったの?今日早く帰るって言ったから……なんでもないなら電話して……待ってるから……』
キラはイヤな予感がしてきた……
─カッチコッチカッチコッチ─
時計の針の音が静かな部屋に響きわたっていた………
『あれっ!?僕いつの間に寝ちゃったんだ??』
キラが時計をみると時計は朝の七時を指していた……
外はスッカリ明るくなっていた……
『アスラン…まだ帰ってきてないんだ……どうしたんだろう…』
せっかく作ったカレーも冷めきっていた……
『ヤバィ!!会社に行かなきゃっι会社ついたらもう一度アスランに連絡取ろっ!!』
キラは身支度を整え足早に家を出た……
キラは駅に向かい歩いていると、昨日できていた人だかりの所で足が止まった……
「昨日、ここで事故があったんだよね……誰があったんだろう?」
そう考えながらキラはまた歩きだそうとしていた……すると、近所のオバサン二人が話しているのが聞こえた……
『奥さん、昨日ここで事故にあった人誰だかわからないんですって!!』
『あらっ!?なんでまた』
『なんでも身分証明書とか身元がわかるもの持って居なかったようなのよ〜!!』
オバサン二人の会話をキラは耳にした…
『しかも事故にあった人は、どうやら記憶喪失になってるって話よ!!』
「記憶…喪失……まさか……アスランじゃないよね……」
キラの不安がさらに強くなった………
『あのっ!!すいませんがその事故にあった人はどこに運ばれました!?』
キラは知らぬ間にオバサン二人に聞いていた……
『えっ!?あっ!?確かノース病院だったはずよ!!』
『あっありがとうございます!!』
キラは急いでノース病院に向かった……