long eight story
□第一章。
1ページ/1ページ
とある街。
私、世梨奈は道を歩いていた。
ただ単に。
道を。
歩いていただけだった。
友達と遊ぶ約束をしていたから、道を歩いていた。
それだけだった。
でも。
なんで?
なんでなの?
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
そんな地響きとともにやってきた、地震。
「えっ……」
どうしよう。
携帯もない。
どうするんだろう。
助けて。
助けを呼ばなくちゃ。
「た…助けてくださいっ!!!」
これが私の、精いっぱいの叫びだった。
恥ずかしい、と普段なら思うだろうが目に見えて大きな揺れを感じている。
?「こっちや!!!早よ来い!!!!!!」
男の人に手をつかまれて、走り出した。
これが、お兄ちゃんたちとの出会いだった。