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□いつの間に!?
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「残念だったわね・・・シカマルくんっ、ッ!!」

「お前が・・・だろ?」

突然の声と大蛇丸の首にクナイを押しつけている奴に、シカマル以外の奴等は驚いた。
シカマルは安心しきった笑みを向けていた。
そして、いつの間にか猿轡となっていた蛇も外されて、何故か全部の蛇が大蛇丸を噛んでいた。

「遅せぇよ、ゲンマ」

「悪い・・・単独の里外任務だったんだよ。」

そう言って、不知火ゲンマは大蛇丸をゴミのようにポイ捨てしてシカマルを抱き締める。
まるで恋人にでも会ったかの様な雰囲気を醸し出しやがる。
そんななか、大蛇丸が文句を言い出す。

・・・空気読めよ。

「何でここに、貴方が居るのかしら?貴方には十数人の忍を送っておいた筈よ。」

「あんな奴等に負けるかよ。数秒で終わったっての。」

「なッ!!嘘でしょう?」

「まあ、嘘だがな。正確には、十数秒だな。」

あっけらかんとした表情で言い出す事には俺たち上忍も驚いた。
一人で十数人の忍を十数秒で倒しただと?
そんな事出来る奴はこの里には、俺の知る限り一人しかいない。

「まさか、火月なのか?」

つい呟いたことにカカシと紅、ガイはより驚いた顔をして不知火を見る。
いのとチョウジ以外は火月って何なのか分からない顔をしている。

「「「本当に火月なの(か/かな)?」」」

「御名答。流石は上忍の皆さんッスね。」

そんなに簡単に言っても良いものなのか?
そう疑問に思うほど、あっさり認めやがる。

「でも、周りの奴等には言わないでくださいね。俺は、単に暗部のバイトしてるだけなんで。勧誘でもされたら、堪ったもんじゃないッスから。」

やはり、言ってはいけないらしい。
ただ、困るところはそこなのだろうか?
普通は狙われたくないとかそんな事だろう。
そんなとき、忘れ去られていた大蛇丸が・・・

「私を忘れるんじゃ無いわよ!!」

そう言って、クナイを投げてきやがった。
ホントいい加減に空気読めよ。
少々数もあったが、簡単に叩き落とす。
ただ、下忍の奴等にまでクナイが飛んでいて速さも数もあるから、下忍の奴らじゃ叩き落とすことも儘ならない。

「大丈夫か?」

そんなとき、シカマルそっちのけで不知火が下忍達のところへやって来た。

「おい、シカマルは?」

「シカマルなら、大丈夫ッスよ」

そう言ってシカマルを見ると、クナイをすべて叩き落として欠伸してやがった。
それからこっちを向いて何を言うかと思えば・・・

「ゲンマー・・・眠い」

ついため息混じりに頭を抱えた。
その答えにも、軽く頭を抱えたくなったがな。

「後で膝枕してやるから、我慢しろよ。」

「じゃあ、早く終わらせてくれよ。」

「おぉ、わかった」

なんだ、この会話は・・・
そして、結局今だ忘れ去られている大蛇丸・・・
おっと、忘れ去られている訳では無かったようだ。

「さて、姫さんも待ってっし、金輪際来れないようにさっさと消しとくか・・・」

「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ。せめて、何でここに来れたのかぐらい教えなさいよ。今回は、叫んで無いじゃない。」

「あぁ・・・毎回叫んでたら、シカマルの喉を痛めるし、そろそろ口を塞がれるんじゃないかと思ってな・・・別の方法を考えておいたんだよ。」

「なッ!!」

「まあ、別の方法は教えないがな。さて、まあ、一回殺られとけ。」

不敵に笑ったその瞬間、大蛇丸の体が空に投げ出された。
何があった!?
全くもって見えなかった。
これが、実力の差って奴なのか?

「スゲー!!何があったんだってば?」

「流石はゲンマさんね!!」

「やっぱり、シカマルを任せられるのはゲンマさんだけだね」

ん・・・?

「いのにチョウジ・・・お前らは不知火の実力を知ってたのか?」

「当たり前じゃない」

「シカマルと僕らが拐われそうになった時、一番最初に気づいて助けてくれたのゲンマさんだしね」

「それから、何回も助けてくれたもの」

「たまに、シカマルにも助けてもらったけどね」

「二人とも、あっという間に敵を倒しちゃうんだから!!」

「そうか、気付かなくて悪かったな・・・」

そう言って、頭を軽く撫でてやりながらも内心は、シカマルにも実力で負けてんだろうな・・・と少し悲しくなった。
そんななか、大蛇丸は不知火の火遁によって丸焦げになってからロープでぐるぐる巻きにされてから木に吊るされていた。
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