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□お迎え
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「ねぇ正チャン・・・そろそろさぁ、迎えに行こうかと思うんだよねぇ・・・。」

「えっと、誰を迎えに行くんですか?」

「じゃあ、ちょっと準備しに行ってくるね。」

「えっ、ちょっと白蘭サンっ!!」

「あっ、正チャンはその間もちゃんと仕事しておいてね。」

さっきまで、確かに暇そうにしてた。
というか、実際に暇してた。
それでも、機嫌良さそうにマシュマロを食べてた筈だ・・・。

なのに、突然の迎えに行く発言。
入江の誰を迎えに行くのかという発言を、軽く無視して出ていく。


無視された入江が机に伏せて、誰を迎えに行くんだよ・・・と項垂れていたのは、ご愛嬌だ。







ー数時間後ー




XANXUSが敵の大将を倒し、全軍撤退をしていき勝利かと思われた。
しかし、突然扉が開き、それは思い過ごしだったと思い知らされる・・・。

「いいや、ただの小休止だよ。
イタリアの主力戦も、日本のメローネ基地も、すんごい楽しかった。
前哨戦としては相当・・・有意義だったよね。」

「なっ、白蘭っ!!」

「なぜ、白蘭サンがここに・・・。」

「さっきまで正チャンが僕を欺こうと必死にしてるの見て、笑うの我慢するの大変だったよ・・・。」

「そんな・・・じゃあ、僕が騙そうとしてるのを・・・。」

「うん、バレバレだよ・・・。
でも、本気でボンゴレと手を組むとは思わなかったよ。
まぁ、正チャン僕のすること、いつも否定的な目で見てたもんね。」

「・・・あなたは間違ってる!!」

「ほーらきた。
まぁ、好きにすればいいよ。
でも、正チャンって本当に物好きだよね。
まだケツの青い、ボンゴレ10代目に世界の命運を預けちゃうなんてさ。」

突然、世界の命運を預けると言われて驚きを隠せない沢田達。
入江でさえも目を見開いて驚いていた。
そんなことを全く気にしてない白蘭はそのまま言葉を続ける。

「本当はこのまま、息つく暇なく戦力を投入してボンゴレを消すのは簡単なんだ。
でも、ここまで楽しませてもらったのは確かだし。
それに、信頼してた副官に裏切られたとあっちゃ、リーダーとしてのプライドにかかわっちゃうだろ?
だから、そろそろちゃんとやろーと思って。」

そう言いながら、だんだんと笑みを深めていく白蘭。
最後に、ニィッと口角を上げて口を開く。

「沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと、僕のミルフィオーレファミリーとの正式な力比べをね・・・。」
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