遊び場

□もしもの2章
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めだかは着方を知っていた。なぜなら、めだかはアンティークと名のつくものが大好きだからだ。装飾に服、カップやらなにやらを収集するのが趣味なめだかは人知れず自分の家でこういう服をたまに着るのだ。ゴシックロリータにまで手を出していたお陰で用意された服は綺麗に着つけられた。

ミィ「・・・だめだ、これは・・・苦しい・・・」

めだか「我慢なさいよ。普段から運動をさぼっていたツケがここできたんだよ。」

ミィ「めだかは・・いいよ・・アンタには私みたいな肉がないからコルセットだって平気で入るし・・うっぷ;昨日食べた肉が出てきそう・・・;」

めだか「我慢我慢。お洒落は我慢なのだよ、ミィくん?」

見下すかのようにめだかは腰に手を当ててミィを見る。そしてめだかはすこぶるご機嫌だった。
大好きなアンティークに包まれ、しかも憧れの英国式のドレス・・・女なら誰でも少しはドレスに憧れるがめだかはその比ではなかった。

<おちゃわんのターン:トリコはまた出そうぜ…きっと…>

めだかはかなり浮き足立ってる。あれ?浮いてない?みぃは目を擦って、めだかの足下を何度も確認したが、どう見ても10cmは浮いている。

オペレーター「めだかは舞空術を覚えた。血圧が140上がった。肩こりが60上がった。平常心が80下がった。みぃのテンションが30下がった。」

オペレーターの言葉など、めだかの耳にはとどいていない、周りには素敵な物、そして同じ屋根の下にはセバスチャンが控えている。今にも頭からお花が咲き乱れそうなアホ顔をしためだかに、みぃは小松達と引き離された事を思い出しムッと顔を歪ませた。

みぃ「さっきはよくもやってくれたねっ!めだかのせいで、小松と逸れちゃったじゃん。しかも、街に行く途中だったんだよ?」

めだか「ど どうしたの急に…それに、あれ以上しつこくしたら小松君に嫌われるよ!?しかも、ココさんにまで抱きつこうとしてたでしょ?尻軽だって言われたっておかしくないよ?」

みぃ「うっ…どうしてわかったの?」

めだか「わかるよ。だって、私達どれだけ長い間、親友やってると思ってんの?私…あんたが変な風に言われるの我慢できないの…」

みぃ「…めだか…ごめん…言い過ぎた…そうだね、あのまましつこくしたら嫌われてもおかしくなかった」

めだか「んーん。私の方こそ…タックルするしか止められないと思ってやったけど、他にも方法があったかもしれないのに…ごめんね。それに、私。みぃのその素直さ見習いたいよ」

みぃ「へへへ…」

めだか「ふふふ…」

みぃ「じゃあ、めだかの好きなセバスチャンに会いに行こう!」

めだか「うんっ!」

みぃに見習って自分に素直になってみよう。そう心に決めて、二人は屋敷の応接室の扉を開いた。扉の先にはシエルとセバスチャンがーーーーーーーーーーーーー
いるはずだった。そのはずだった。屋敷の主と執事の代わりにそこにいたのは、小太りで額から触覚を生やしたハタ王子とそのじぃだった。

ハタ王子「待っておったぞ、どれ近うよれ」

じぃ「王子の御前であるぞ失礼のない様にーー」

じぃが言い終わる前に、二人は扉をそっと閉め、我が目を疑った。主とその使いだと言うのは変わらないが、まるで違う人物がそこにいた。地球人ですらない…錯覚だろうと、もう一度扉を開く。

じぃ「王子の御前だっていってんだろうがぁ!」

ハタ王子「じぃ、よいっ!恥じらっておるのじゃ。恐がらず部屋に入ってまいれ」

私達は扉を閉め、屋敷から逃走したーーーーー


【カルピスのターン:意外な展開に吃驚!】


一目散に逃げ出して二人はとにかくひたすら走った。なりふり構わず逃げ出して景色すらも見えない・・・・なので当然二人は道に迷った。気が付いた時には深い森のなか。土地勘なんて持っていない別の世界・・・今自分たちがどこにいるのかすらわからないので地図なんてあてにならない。

めだか「ひっぐ・・・うぇ・・・私の・・セバスが・・・シエルが・・・ヒック・・・」

ミィ「・・・めだか。」

めだか「あんなハゲ王子と眼鏡執事(ジジイ)に変わるだなんてーーーっ!!(号泣)」

ミィ「心中お察しいたします;」

ミィは痛いほどめだかの気持ちがわかった。大好きな漫画のキャラクターに会えたって言うのにそれは一瞬で・・・しかも、楽しみにしていたのに扉を開けたらキモいおっさん二人・・・誰だって錯乱する。

とにかく歩くしかない二人は森の中を歩く。すると、小さな明かりが・・・・とりあえず暗くなってきたということもあるので二人はそこへ行ってみることにした。
明かりがともっている小屋を見つけた。木造で樵の休憩所みたいな感じで・・・しかし、電気がついている。怖い人がいたらどうしようなど不安はあるが、暗い森の中にいて猛獣に襲われるよりはましと、心を決めた。

コンコンコン

扉をノックする。すると中から男の人の声が聞こえる。かちゃりとユックリと扉を開けると中からは中年のオジサンが出てきた。

中年「おや?どうしたんだ?」

ミィ「・・あの、実は私たち森の中で迷ってしまって・・・」

本当ならこういう役はめだかのほうが上手い。だけれど、先ほどのショックが抜けないのかいまだに錯乱状態で時たま「・・・私のセバス・・・」と小声で呟いている。

中年「あぁ、そうかい。なら中に入りな。俺も一人だからにぎやかな方がいいしな!」

気さくな雰囲気でおじさんは私たちを招き入れてくれた。
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