遊び場
□もしもの4章
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ずしんずしんどすんどすんっ
太陽が照りつける荒野にみぃの足音が響く。二人は行く宛も無くただ、ひたるら歩いていた。
みぃ「あじぃ〜。めだかぁ〜抱っこして飛んでぇ〜」
めだか「無理よっ!あんたそんなに太ってっ!私にも体力の限界ってものがあるわよっ!」
みぃ「うへぇ〜…ん?なにあれ?食べ物?」
めだか「え?」
地平線のむこうにピンクのモヤが見えた。モヤはあっという間に二人を包み込んだ。
【カルピスのターン:ちょっとぉぉぉっ!太りすぎじゃね!?;】
さらさらさら・・・・
水の流れる音で二人は目を覚ました。荒野を歩いていたはずなのに水の音に違和感を覚えてあたりを見回すと、緑豊かな傾斜の土手・・そして目の前を流れる川・・・見上げてみると見慣れた電線がある。
まさか元の世界に戻ってきたのか?そう思って躰を起こした。
めだか「みぃ・・・ここって、もしかして河川敷じゃない?」
みぃ「うん・・ウチの近くの土手に似てるんだけど・・・でも、あそこは電車なんて通ってなかったし・・・違う県とかなのかな・・・」
そう思って辺りを見回す二人。すると突然どこからともなくこの世のものとは思えない悲鳴がきこえてくる。そしてその声はどんどん近づいてい来る・・・・
兼一「うぅぅぅぅぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!;」
岬越寺「ふはははははっ!!甘い!甘いぞ、兼一くん!高々重り500kgくらい軽くこなせないでどうする!!」
タイヤに乗った人が前の少年に自分とタイヤを引かせて後ろから鞭で叩いている・・・しかも、タイヤの後ろには鉄球が付いており、それには500kgと書かれていてそれが二つ付いている・・・それって1000kgじゃないの?などと心の中で突っ込んだが、二人はあっという間にいなくなってしまった。
めだか「・・・・ねぇ、ちょっと・・・;」
みぃ「うん・・・ものすごぉく見覚えのある。あれって【史上最強の弟子】じゃね?」
そう・・・一般人の男の子がまさかの達人たちのいる梁山泊に弟子入りしてしまい、最強の師匠たちによって扱かれまくっているというあの・・漫画である。やりすぎて笑えると、つい最近めだかがみぃに貸したまんがのひとつである。二人が通り過ぎて少ししてからめだかがぽそりと呟いた。
めだか「・・私たちも、梁山泊で修行すれば強くなれるんじゃ・・・」
みぃ「!!!それだ!それだよ、めだか!」
みぃは脂肪を揺らしながら立ち上がった。そしてめだかの手を引いた。
みぃ「行こう!めだか!私たち強くならなきゃ!」
めだか「え・・ちょ・・・うわぁぁぁぁぁぁっ!!!;」
みぃがめだかの手を引いて走る。脂肪をブルンブルンと揺らし大粒の汗がすでに噴き出ているが、そんなことも構わずにすげぇスピードで走る。めだかは只々ひっぱられるだけであった。
すでに兼一たちを見失っていたが、ミィが美羽ちゃんが書いた地図を詳細に覚えていたことから梁山泊の門の前に着いた。ゼーゼーと大きく肩で呼吸をするみぃの背中を優しく撫でるめだか。
めだか「お、おつかれ;あんたあんなスピードで走れたんだね;」
みぃ「ゼー・・・ゼー・・・ま、まぁ・・・だてに・・・カロリー摂取・・してないから・・・ハー・・ハー・・・;」
めだか「と、とりあえず落ち着こうか;ほら、息整えて・・・;」
とりあえずみぃを座らせる。若干痩せたんじゃね?とか思いながら、めだかは梁山泊の門をみる。たしか、この門ってすっごい重くって一般人では開けることができないとかいう設定だったことに気が付いた。呼び鈴もないことから、とりあえずここはノックをしてみようと、めだかは門をノックしてみた。
こんこん。
めだか「えーっと・・・すいませーん」
しーん。
返事は帰ってこなかった。音の振動が鈍いせいなのか中には聞こえていい様子で・・・もう一度、ノックをしようかと手を振りかざしたとき、門はぎぃっと小さな音を立てて開いた。
めだか「!!みぃっ!開いたよっ!」
みぃ「ゼー・・・・ゼー・・・・」
まだ呼吸整ってないんかい!と突っ込みを入れようとしたが、流石に可愛そうだと思いとどまる。そしてめだかはとりあえずその場にミィを残して中の様子を伺うために覗いてみる。
めだか「すみませ・・・・」
時雨「・・・・なに?・・・お客・・様?」
めだか「Σうひゃぁぁぁぁぁぁっ!!;」
突然、めだかの目の前に逆さづりの女が現われた。めだかは驚きのあまり悲鳴を上げる。そして尻もちをついた。
時雨「なにか・・・用?」
めだか「(すげー吃驚した!心臓止まるかと思った!!;)・・・あ・・えっと・・・あの、私たち・・;」
アパチャイ「あぱー?どうしたヨ、時雨?お客さんかよー??」
時雨「うん・・そう、みたい。お客様・・・丁重に御もてな・・・し。」
アパチャイ「わかったよー!アパチャイにおまかせよーーっw」
めだか「ひぇっ!!!;」
急に出てきた小麦色のマッチョことアパチャイ。アパチャイは二人を肩に担いで猛スピードで移動した。突然の事で訳が分からなくなるめだかだったが、反対側の肩で担がれているみぃの表情をちらっと盗み見した時、みぃの表情が物凄い嬉しそうだった(ってか、気持ち悪かった)ことで嫌な予感がした。