BOOK1《後編》

□四十
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僕にいいようにされたショックで放心状態の彼女に、嘲りの言葉を落として部屋を出た

身体が怠い……あのままベッドで眠りに引き摺り込まれそうだった

これが彼女の能力

自分を無理に組み敷き、男の吐き出す欲からその男の生命力を取り込む。そしてその逆も然り

泣きたいのはこっちだ

歳さんに彼女のアフターケアを頼み車を走らせる

快感を拾うまいと、あの男の名前を呼び、懸命に耐える彼女の頬を叩き、無理矢理絶頂を引き出した

憎む男から与えられた快感に、自分を卑下してきっと彼女は泣くのだろう

こんな最低なSEXは初めてだ・・・苦い思いしか残らない

でもこうでもしなければ、君の死期はすぐに訪れ

選択を間違えれば、君の魂は永遠に、社の主に囚われたままになってしまうだろう

そう京都で偶然立ち寄った…いや、今となっては、呼び寄せられたのかもしれないが…

あの社の主が僕の意識に埋め込んだビジョンは、それを語っている





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