BOOK1《後編》
□三十一
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(酒元side 1 )
女名無しの居ないベッドに横たわっても、眠りが浅い
早朝に出勤して、彼女が早くに出勤する事を願うが
それを見越したように、女名無しは出勤を、遅らせているようだ
先日のパーティーで、沖田に腰を抱かれ、肩にキスを受ける女名無しを見せ付けられて
全身の血が逆流し、頭がおかしくなりそうだった
俺と別れて、沖田と付き合いだしたのか?!
あんなに、沖田に恐怖していたはずなのに……
悶々と、雑念が思考を支配する。未練たらしいと自嘲しながら、自然とため息が出た
メールをチェックし、デスクの上の書類を処理していくと、不意に郵便物の封筒が目にとまる
封をを開ければ、中から数枚の写真が、デスクに滑り落ちた
ッ…!!!…日付は、俺が海外出張中だ。何て事だ…言葉が出てこず、額に手を置く
この時には女名無しの気持ちが、俺から離れていたのか?
いや、違う。あんなにも、激しく求めあったのだから
それとも、俺が秤にかけられていたのか?
日付などどうにでもなる・・
女名無しと沖田が熱くキスを交わす写真を持つ手が、怒りと戸惑いに震えている
写真を封筒に突っ込んで、捻じって捨てた
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