BOOK1《中編》


□二十二
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朝焼けがカーテンの隙間から零れて、男名無しの部屋を染めていく

寝ぼけた頭で、数時間前迄の事を思い出し、けだるい身体の意味を知った

確かに身体のあちこちが痛くて

私の中心に、男名無しを象ったような、感覚が残っているし、倦怠感も凄まじいけれど

そのどれもが、愛して貰えた証で、神聖で愛おしい

私を抱きしめて眠る、胸板に擦り寄って、唇で肌の感触を確かめた

「…ウん?…フハッ。くすぐったいよ…この子はかなりの、悪戯っ子だな…

それとも、まだ足りないのか?」

頭とオデコに沢山キスが降ってくる

「もぉ無理…起こしちゃってごめんなさい!」

「もう少し、眠っていいか?」

「うん。そう…して……ヒャ…ゃ…ちょ、も…んぁ」

眠っていいかって、きいたくせに…

私の胸の尖りに、キスを落とし、そのまま顔を埋めて、ヤワヤワとモミしだいた

部屋が完全に明るくなるまで、繋がっては、また意識を飛ばす





「何処、行きたいところはないか?」

私の腰を後ろから抱き、うなじや、背中にキスをする男名無しの声が、浴室に響く

「お腹が空きました…」

少しむくれながら答える私は、もう泣き声だ

あんなにも、嫌がったのに、お風呂に連れ込まれ

今日のところは、此処でするのは勘弁するから

全身洗わせて欲しいと、交換条件のように言う、男名無しに

何を言っても無駄だと悟り、じっとしていたら

嬉々として、手の平に洗剤をつけて鼻唄交じりに、身体じゅう洗ってくれた

恥ずかしいから浴槽に、逃げると、男名無しも後を追って入る

大人二人が、入れるからって…ブツブツ言っても

満点の笑顔を向けられれば、何もかも許せてしまう






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