BOOK1《中編》
□番外 中岡視点(後編)
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日々が過ぎていくなか、男名無しちゃんは、生まれつきの人懐っこさで、皆に素早く馴染み
出来る上司としてのカリスマ性で、社員もドンドン引っ張っり、支社の雰囲気も変わってきた
休暇時間や終業時間になれば、女性社員に囲まれ
男性社員も引き連れては、数人で食事に出かけたりもしている
女性社員からの、個別の誘いは流石に断ってるけど
姓無しさんだけが、男名無しちゃんを受け入れられないのか
仕事以外で会話もなければ、避けているように思う
その事に、安堵している自分が、可笑しくて…
なんだろう姓無しさんを思い浮かべれば
チクリと刺さる甘酸っぱい切なさと心地好さは…
だけど、俺の勘違いでなければ、姓無しさんは時々、男名無しちゃんを目で追ってる
なんとも言えない瞳で、見ている
ジワリと広がる不安が、腹のあたりに重くのしかかる…
そんな悶々と過ごす日々ののなか
男名無しちゃんや俺が、残業で会社に泊まり込む日が、何日か続いて
仮眠室から、朝、オフィスに戻ると
何時も、男名無しちゃんと俺の席に
栄養ドリンクと食べ物が、置かれてある
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