BOOK1《中編》


□二十一
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桜子が小さめのキャリーバックに荷物を詰めるのも、手伝ってくれた

こんなに荷物が、必要なのかな?と問うと

「この流れは、どお考えてもお泊りでしょ!まさかお茶して帰えろうなんて、思ってないよね?!」

「…」

……鋭い…

二人で食材を買ってスーパーから出てくると

桜子の婚約者の圭吾さんが、駐車場で待っていて

先日のお詫びだと言って、部長のマンションまで送ってもらった

桜子ったら…ありがとう



マンションで夕食を作り。和食中心に簡単な物ばかりで申し訳ないけど

【マンションで待ってます。勝手にキッチンお借りして、簡単な食事を用意しました】とメールして

男名無しが10時過ぎて帰ってきた。ドアを開けるなり長い腕が伸びてきて、抱き締められ

「お帰りなさい。お仕事お疲れ…ンンウ」

キスで唇を塞がれ、最後まで、言い終わらないうちに、遮られる

ちょっと荒っぽい噛みつくようなキスに、ドキドキして、上手く息継ぎ出来ないで、男名無しの胸をトントン叩く

「ただいま…女名無し…会いたかった」

そう言ってまたギュッてする

「私も。私も会いたくて、寂しかった…」

男名無しが瞳を輝かせ

「女名無しにそんなこと言われたら、嬉しくて疲れも吹っ飛ぶ」

ニシシとお日様の笑顔を向けられて、フワリと気持ちが軽くなる

「心配かけてごめんなさい。何かお腹に入れた?」

「全然何も食べてないんだ。助かるよ」






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