BOOK1短編


□11111番 せん様 リクエスト
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「名無しは絶対、この色似合うよ〜試してみれば?」

「うー…派手じゃない?! 」

桜子が水着を私の身体にあてては、あーでも無いこーでもないと選んでくれたのは、絶対自分では選ばない色の、ビキニだった

「全然‼ 夏だし、若いんだから、もっと凄いのつけて欲しいくらい。スタイルイイから大丈夫だって!」

男名無しがゆっくり過ごしたいからと、計画していた海外旅行が仕事のために急遽キャンセルになって

またもや、「名無しと旅行出来ないなら、仕事するのは嫌だ」とゴネはじめた男名無しを宥めすかして、近場で泊まりに行こうという事になり

二人きりだと、時々、子供みたいに駄々をこねる男名無しが、かわいくて母性本能を擽られてしまう。会社の酒元ファンにも教えてあげたいぐらい

それにしても、泳がないといけないのかな…男名無しとの旅行は楽みだけど、水着も水泳も苦手だから…恥ずかしいけど大きめの浮輪も買った

桜子は宿泊先の特産品を教えてくれて

「お土産にするね」

「そんなの気にしなくてもいいから楽しんだら良いのよ」

泳ぐ事を不安に思う私の背中を押してくれた桜子の、悪い笑顔に気付けなかった




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