BOOK1短編
□もしも…の未来 part3
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バンッ
「こんなのだけじゃ、分かるわけないでしょ!」
机の上に積み重ねられた問題集を叩いてみても
皮肉った言葉を投げつける彼は、何処にも居なかった
「なによ…無責任!猪並みの脳みそを、人間に昇格させてから、帰りなさいよ…」
*
「岩田のおばあちゃんが、野菜を取りにおいでって
重いし総一郎くんと、もらってきて」
家族の前だと愛想イイ沖田さんは、特にお母さんには、優しい
その優しさを、少しばかり私にも分けてくれてもいいんじゃないの?
家の裏手から、農道を通って近道しながら、県道を東へ歩く
沖田さんは、私の少し後を口笛を吹きながら、ついてきた
なんかご機嫌で、怖い…
しまった…岩田のおばあちゃんは、しこたまお野菜くれるんだよね…
一輪車を突いてくれば良かったかな…まっいいや沖田さんに、いっぱい持たせてやる!!
ウキキ 日頃の恨みを晴らす時がきたー!
「こんにちはー姓無しで〜す」
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