BOOK1短編
□もしも…の未来
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菩提寺を参った帰り、知らない間に、京都の観光地から外れた所まで、来ていた
確か、この辺りに、剣道の名門高校があったはずだけど…
空に向かって、颯爽と伸びる青竹を見上げ、間からこぼれる、陽射しに、目を細めた
竹やぶを流れる風に、癒されながら、坂道をぶらりと歩いていると
「カナちゃんあったよ!草むらに落ちてた♪
うん、こっちから近道出来そうだから、先に行ってて!
顧問の先生には、すぐ着くって言っといてね
うん…うん大丈夫だよ!それじゃ」
斜面上の草むらから、女の子の声がする。携帯で話しているのか…でかい声だな
ガサガサガサ何か走って近付いてくる音が聞こえる
エ?ここスゲー傾斜地だけど…まさか猪?!
竹やぶから
「わ止まんない…」
ズボッと音がしたと思ったら、目の前を何かが横切った
道の端にワンバウンドして、何か塊が斜面の方に落ちいった…
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