BOOK1《前編》
□十三
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オフィスをそっと覗くと、酒元部長は既に出社していて、もうパソコンに向かっていた
どんな顔して出社しようとドキドキしたけど
そんな心配は不要だったね。部長に挨拶して席についた
私の挨拶に反応して、顔を上げた部長が、真っ赤になっていることにも、気が付かなかった
部長との会話も殆どなく、数日過ぎて行った
残業続きだったけど、今日は、定時に帰る事ができそう
桜子との食事の約束があるし…
チラリと部長の席を見遣ると、昼過ぎに出掛けたきりで、まだ戻っていない
ずっと、酒元部長が気になっている自分を自覚して
一人恥ずかしくなって、手早く片付けて、社外に出た
急ぎの仕事が、急に入った桜子と、店で待ち合わせる事にしている
まだ時間があるし、買い物でもしようかな
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