BOOK1《前編》
□十七
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そう言って、おでこ、目蓋、頬や鼻にまでキスを落とすから
男・名無しさんのキスで、気持ちが落ち着いて、ホッとする
「俺このままだと、名無しを押し倒してしまいそうだから、何か食べに出掛けないか?」
男・名無しさんは、そう言ってくれたけど
病み上がりと言うこともあり、少し遅めの昼食は、私が作った狐うどんを二人でたべた
おとせさんに習った関西風の味付けに
「旨い!」
連呼する男・名無しさん
まだ微熱が有るけど、もう1日薬を飲んで、静かにしてれば大丈夫そうだ
そろそろ、おいとましようと考えてると
「二人でDVDをみる!」
ニコニコ微笑む男・名無しさんが、言い切った
ソファーに座る、男・名無しさんの横に並んで座ると
少し空いた距離が気に食わないらしい…
私の横顔と、空いている距離を、交互に視線を浴びせているのがわかる
モジモジしてると、すかさず間を詰めて、私の腰に腕をまわす
「ちょッ…男・名無しさん」
「さん付けで呼んだら、スキンシップします!」
また言い切った!
だけど、私は承知してないよ?と思いつつ顔を見上げると
ニシシと太陽みたいな笑顔を向けられて、あなたの罠にはまってしまう
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