BOOK1《前編》


□プロローグ
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その現代的な電子音に、現実を突き付けられ、諦めと共に起き上がった

勿論そこはベッドの上で、若い女性らしさなんて、欠片もない閑散とした私の部屋

『早起き対決は、わしの勝ちじゃ』

ニシシと笑うあなたに、引き込まれて同じ様につられて破顔してしまう…

そんな柔らかな朝は、もうここにはない…

目頭が熱くなって、瞳が一気に潤う

眉間に皺をよせ瞼をギュッと閉じた



向こうで二年間ほど暮らした筈なのに、現代に戻ったあの日は

カナちゃんとはぐれて数時間後だった






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