ぷよ魔導 小説
□ひねもす。(8P)
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いきなり何を言い出すかと思えば…。
「どうしてさ!」
「どうしても何も…お前じゃこのダンジョンは無理だろ、危険すぎる。」
「ボクはそんなに弱くないよ!」
…いきなり失礼な奴だな。
「おいアルル…本当に知らないのか?」
「え?」
「このダンジョンの"噂"だ。」
シェゾが急に真剣な表情になって、ボクは一瞬ドキっとした。
「う、うわさ?」
「…やっぱりな。」
"噂"って一体何のことだろう。
すっごいお宝が眠ってる…とかそーゆうのじゃなさそうだけど。
「あくまで噂だが、このダンジョンに住んでいる魔物は酷い女好きの奴らばっかりらしいぞ。」
「おんな…好き?」
「ついでに、今まで入った女で生きて帰ってきたのはいない、らしい。」
生きて帰ってきた人はいないって…女の人は皆、殺されちゃったってこと?
「お前もいちおう女だしな。こんなつまらんダンジョンで命を落とされたりしたら……いろいろ困るからな。」
「"いちおう"は余計っ!」
「おっと。」
…蹴ろうとしたけど避けられた。
だけど、その噂が本当ならちょっと危なかったかもしれない…けど、
「けど、カー君が…。」
「カーバンクルがどうかしたのか? そういや、今日は一緒に居ないんだな。」
「実は……」
ボクはシェゾに事情を話した。