ぷよ魔導 小説
□ひねもす。(8P)
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「今日は1日かけてこのダンジョンを攻略するぞ!頑張ろうね、カー君!」
「ぐー!」
実は今日の朝、ボクが一緒に居たのはカー君だった。
「さーて朝ごはんを食べずに来ちゃったし、ダンジョンに入る前にぱぱっと食べちゃおう!」
そうして家から持ってきたパンを取り出そうとした時だった。
「…?何か甘い匂いがするような…」
「ぐぐぐー!!!!!」
何の匂いか分からないけど、とっても美味しそうな……
「って、ちょっとカー君!!!!!」
カー君は声を上げたと同時に、一直線にダンジョンに向かって走り始める。
「待って!止まってカー君!!!」
きっと空腹に耐えかねたのだろう。カー君はボクの声に耳をかすことなく、甘い匂いのするダンジョンに姿を消してしまった。
「も〜っ!カー君ったら、ご飯食べてからって言ったのにー!」
とはいっても、カー君を放っておく訳にもいかないし…。
「仕方ない。カー君を追いかけよう。」
ボクは出しかけた朝ごはんを片付けて、ダンジョンに入ろうとした。
「おい、このダンジョンに入るのか?」
「わっ!シェゾ!!!」
何もこんな時に出てこなくても…。
「おい、質問に答えろ。お前はこのダンジョンに入るのか?」
「そ、そうだけど!…それがどうしたのさ。」
「悪いことは言わんから止めておけ。」
「…なんで?」