お題小説

□雪の降る夜は二人で
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*ぷよぷよ
(シェアル)






「寒いなぁ…。」



日も暮れてきて、家の中もだんだん冷え込んできたようだ。

ボクは急いで窓際のカーテンを閉めに行く。















「なるほど、どうりで寒い訳だ。」

カーテンを閉めようとした時、ふと、ちらちら舞う白いものが目に入ってきた。







「雪だよカー君!!!」

「……ぐぅ。」










…寝てる。

キミは寒くても全然平気なんだねぇ。
















「カー君が寝てると静かだなぁ。」


ぼんやりと呟いて、ボクはイスに座った。




「…ボクもチョットだけ、寝ちゃおうかな。」










なーんて考えている時だった。
















ドスンッ!!!!!














「なっ何、今の音!?」









ボクん家の近く…いや、音の大きさ的にボクん家の周囲だろうか。

静寂な空気をぶち壊す地響きだ。








「…ビックリしたね、カー君。」

「……ぐぅ。」








…起きてない、流石はカー君。











カーテンを開けて窓から外を覗いてみたものの、それらしき原因は見当たらなかった。





「窓からじゃ分からないとすると…考えられるのは、玄関かなぁ。」







チラっとカー君を見たが、相変わらず起きる気配がない。










「こうなったらボク一人で確かめに行くしかないか。」







ボクは勢いよく扉を開けて、外へ出た。















「…うーん、何もないなぁ。」





キョロキョロと見回してみたものの、ただ静かに雪が降っているだけだった。





「確かに音が聞こえたんだけど…」


まさか、聞き間違えだったのかなぁ…カー君も起きなかったし。









「うーん、おかしい……なぁっ!?」





突然、足を掴まれた。








「…ァル……」



何!?何…っ!?


「いやあああああああああっアイスストーム!!!!!!!!!!」




















─────



───




「……。」

「ほんっとうにゴメン!シェゾ!!!」









ボクの足を掴んだのはシェゾだった。

突然雪が降ってきたから、ボクの家に寄ろうとしたらしい。




「大体こんなクソ寒い日に、いきなりアイスストームを食らわせるヤツがいるかっ!」

「……。」



ゴメンなさい、ボクです。








「しかもだな…家の前に落とし穴を仕掛けるってどういう神経してんだ。」

「だって…家の周りに変なヒトがウロウロしたら怖いじゃん。」

「それで玄関前に、か。」

「うっ…。」







実は今日、ボクは家の前で落とし穴のワナの実験していた。その後うっかり取り外すのを忘れてて…口が裂けても言えないケド。

なんて思っていると、突然シェゾが服を脱ぎ始めた。



「ちょっとキミどうしたのさっ!」

「どうしたって…いつまでもこんな濡れた服を着ていたら風邪引くだろ、普通。」

「あ、そうだよね…。」


と、言われても目のやり場に困るんだけど…!


そんなボクのことなんて気にも留めず、シェゾは服を暖炉の火の前に翳し始めた。











ぱちぱちと炎の音だけが響く。












「流石に暖炉の火じゃ乾きそうにないか…仕方ない、泊まっていくか。」

「…えっ!?それは困るよ!!!」

「なーにが困るだ。そもそもこうなったのも、お前のせいだろうが。」

「確かにそうだけど。」

「…何か不満か?」


ニヤりとシェゾが笑う。














「…いいや。」









こんな寒い日だしね。シェゾと一緒に過ごすのも悪くない。









「まあ、しっかり詫びてもらうからな…覚悟しろよ。」

「…覚悟?一体ボクに何を覚悟しろって言うんだよっ!」

「わかってるくせに、はぐらかすじゃないぞアルル。」

「ボクには全く!ぜんっぜんわかりませ……んんっ。」



いきなり唇を塞がれる。



「あんまり生意気な事ばっかり言ってると、口塞ぐぞ。」

「も、もう塞いだじゃないかっ!」

「…それぐらいで動揺しているようじゃ、身体が持たないぞアルル。」

「キミねぇ…!」

















「…Are you ready?」

シェゾが笑う。















「Yes…I'm ready.」















───雪降る夜はまだまだ明けない。



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【END】
ゲンミツには3人(?)だけどv
もし闇のパンツを思い出した
素敵なお方がいらっしゃったら
是非お友達になりたいです(笑)
2人とも英語喋れるよ…ね?

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