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□登校時間
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扉が閉まります。ご注意下さい。
ダダダダダッ
「ハァハァハァ…間に合った」
電車の扉を閉める警告が聞こえるといつものように私と同じ年くらいの男子高校生がギリギリのとこで乗り込んできた。
背が高くて汗が滴る横顔が凛々しい茶髪の男の子。
私は毎朝この男の子が電車に乗り遅れそうなのを目撃している。
最初は『毎朝乗り遅れそうになってうるさいなぁ…』
そう思ってた…
でも気付いたら彼のことを目で追っていた。
彼が友達と笑ったときに見える八重歯がかわいくて汗が滴る横顔がとてもかっこよく見えた。
キキィー!
「きゃあっ!」
私は電車の急ブレーキでよろけた。
「大丈夫?怪我はしてない?」
私の腕を彼は優しく掴んでくれた。
その瞬間私はこの気持ちが恋だと気付いた。