小さな物語

□ネコという生物
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かの有名な新選組の屯所、そこに男装をした娘と茶色いネコが1匹。

「う〜ん・・・。」

首をひねりながらネコをなで、また

「う〜〜ん・・・・。」

そう言いながら今度はそのネコを抱きしめ、

「???・・・・う、う〜ん。」

はたまたそのネコに顔を近付け、口づけ・・・


っといった所で

「雪ちゃん。何してるの?」

何故か不機嫌な沖田総司の声が聞こえてきた。

「!・・ど、どうしたんですか!?何かあったんですか?」

沖田はびっくりしてこちらを振り返った雪の反応に満足し、一瞬だけ
微笑んだが、雪が抱きしめているネコを見ると、
すぐに不機嫌な顔になり、雪に近付いていく。

雪は、なぜか不機嫌な顔で近付いてくる沖田にとまどいながら、
不機嫌な原因を精一杯考えてみる。


と、同時にネコをサッと自分の後ろに隠し、こわごわ聞いてみる。

「あ、あの・・沖田さん?さっきの事、見てませんでしたよね?」

その雪の言葉と行動に沖田の怒りは倍増!!

「見てたよ。 君がそのうすぎたないネコとたわむれてるのをね。所でそのネコ、オトコだよね?ちょっとそこに置いてくれる?今すぐ僕がぶった斬ってあげるから。」

沖田は雪に選択肢を与えるつもりはないようで、そんな有無を言わせない沖田に
雪が、どう言おうかあわてながらも声を出した。

「こ、この子は何も悪い事してませんし。・・・・・その、き・・斬らないでください!」

なんとか沖田に自分の意志を伝えることができ、ホッとした雪だが、

沖田はその言葉により、いっそう怒りが増したようで、

「悪い事をしてない?充分しているじゃないか!!君、僕を相当怒らしたいようだね。
もしかして、僕がどうして怒っているのかもわからないようなバカな子じゃないよね?」

「うっ。・・そ、それは・・・。」

そういって沖田をこれ以上怒らせないように精一杯頭を働かせる雪、

(沖田さんはネコにイラついていて、
この子は私とたわむれる事しかしてなくて・・・ん?・・こ、これは・・)

「あ、あの。自分でもどうかと思うんですけど・・その、ヤキモチ。ですか?」

雪が控えめに言うと、

「・・・だ、だから何だっていうのさ!君がこのネコと!・・。」

沖田は図星をつかれたようで、面食らっていたが、すぐにムッとし、拗ねてしまった。

雪は、そんな沖田の可愛い一面を見てしまい、なんとも言えないうれしい気持ちでいっぱいになった。

そんな沖田を見てしまっては、どんな女性でもポロッと口が滑ってしまうもので・・・

「沖田さん。私、この子が沖田さんみたいだと思って、観察してたんです。
いつも会えるわけじゃないから、この子を沖田さんの代わりとして、・・・さ、寂しいのを癒してもらおうと思って・・・、その。
あの、本物の沖田さんにはできない事を、この子でやってみようかな?・・・なんて。そんな恥ずかしい事、ほ、本人に言えなくて
・・えっと、誤解?させてしまって・・・。」

あはははは。と真っ赤な顔ではずかし混じりに笑う雪。

すると沖田の腕が伸びていき、雪の腰を引き寄せる。

条件的に沖田の腕の中に収まる雪。

「え?沖田さん!?」

そう言って沖田の顔を雪が見ようとすると、よりいっそう強い力で抱き締められ、
鼓動が速くなる。

「お、沖田さ「黙って。」・・・・・!」

(それから耳元で囁かれた言葉を、私は絶対忘れない。)

「ニャ〜ニャ〜!」

可愛い声で鳴きながらネコが私と沖田さんの間に入ってき、足に絡み付いた。

「やっぱりこのネコ斬っていい?」

「だ、だめです!!」

(【君の全ては僕のモノだから。誰にも渡さない。】耳、真っ赤でしたよ。)

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