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□9時過ぎの至難
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ああついに来てしまった…。
9時過ぎ。俺達いい子はもう寝る時間。
だが俺には、地獄としか思えない時間…。


「レーンっ!!」


……ああ、来た。地獄の時間が。


「…何? リン」


いつもの事なので分かり切っているが一応、俺は双子の姉、リンに尋ねる。
リンは、可愛くて天然で無防備で…思春期の俺には破壊力がありすぎる。


「一緒に、寝よ!」


…ああ、やっぱり。

リンは14歳だが、少し幼く(言ったら泣かれるので言わない)、毎日毎日この時間になると俺に「一緒に寝よう」と言ってくる。
一緒に寝るとかありえないよな!? 双子だとか言っても男女だ! そして俺は思春期だ!
と言ってやりたいが…天然リンはきっと理解不能だろう。
ちなみに一緒に寝たい理由は、「おばけが怖い」だそうだ。可愛すぎる。
まあいつも我慢して寝ているのだが…もちろん背を向けて。
しかしリンは後ろからくっついてくる! そうなると…む、胸とか…色々くっついてくる。

いくら可愛いと言っても、もう駄目だ!


「…やだ」


これぐらい冷たくしとかないと駄目だ。リンはまだ懲りずに来るだろう。


「…なんで?」


リンを見れば涙目で今にも泣きだしそうだった。

「…いや、なあ…えっと、その…」


なんでと言われても。本人に言えるわけがない。あまつさえ天然なリンだ。意味が分かるわけない。


「…レンは、リンが嫌いになったんだ?」
「はあ!?」


まさかそうなるとは思わなかった。


「だって! 昨日まで一緒に寝ててくれたのに、いきなり…リン今日何かした!?」


いや、毎日してますが。


「リンが嫌なことレンにしたなら、言ってよ」
「…何で」

「レンに嫌われるなんてやだもん。駄目なところ全部直すから、嫌いにならないで…」


…ああ、もう。


「……覚悟はできてる?」
「へ? うん。」
「…じゃあ寝ようか」
「! うんっ!」


もう、知らない。




(とりあえず服脱いで)
(え、何で?)

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