*約束はいつの日か*

□自由になるために
1ページ/23ページ






―――カチカチ・・・カチカチ・・・





夜。



ルフィ達の秘密基地の時計が静かに響く。




よしみはまだ体が自由に動かないため、ダダンの家にいる。


今日サボが向こうへ行ってしまった後、
ブルージャム達の荷物運びを手伝い終え


よしみに会いに行った。


その時に、サボが連れて行かれたことを
よしみだけに話した。

するとよしみは。









『・・・行く』


ルフィ「え?」


エース「は?」


『・・・サボ、・・・迎えに、いく・・・行かない、の?』


「「・・・」」








よしみは真っ先にサボの所へ行くといい
痺れて動かない体を動かそうとした。

だがそれをエースが無言で止める。









エース「本当に・・・分からねぇんだ。
  サボの幸せが、向こうにあるかもしれねぇ・・・」


『・・・にゃあ・・・で、も・・・』


エース「ダメだ。・・・それにまだ動けねぇだろ」


『・・・・・』








エースは口調を出来るだけ優しく言った。

よしみは明らかに不満そうな顔をし、渋々諦める。


よしみをもう一度寝かせたがその時、
よしみが言った言葉。







―――サボの幸せはよしみの幸せなの






それがどういう意味か・・・エースには分からなかったが。


よしみは無理矢理動いて疲れたのか、直ぐに眠った。



自分よりも年下なのに、
年上の自分が理解出来ない言葉を言うよしみ。


エースは今日一日、
ずっとその言葉を繰り返して考えていた。

















―――そして今

ルフィが徐ろに口を開く。







ルフィ「よしみ大丈夫かな・・・サボ・・・どうしてるかな・・・」


エース「・・・うるせぇ寝ろ!!
   サボの事は一旦忘れる約束だろ。

   ・・・これがあいつの幸せかもしれねぇん、だ・・・」









エースは徐々に、自信をなくす言い方で話す。

・・・よしみが言っていた、



サボの幸せはおれらの幸せ"って意味。



あれは、サボの今の幸せにつながるのか・・・

もう少しで考えがいきそうなのに、
何かが引っかかって、考えがいきつかない。


エースはそのモヤをかき消す様に、無理に目を閉じ眠った。























―――朝



ここはサボの家だ。

小鳥が外で、気持ちよく鳴いている。








「おはようサボくん。
 あなたが天才ステリー君のお兄様ね、よろしく。

 私は家庭教師の―――・・・」


サボ「(何も変異がない・・・やっぱり皆知らねぇからか!?
   あまりにも普通すぎて、昨日の事が嘘みてぇだ・・・)」








サボは、今日ゴミ山が全て焼き尽くされる
事実があるというのに、

家庭教師も両親もが普通に過ごしているのを見て、

違和感を覚える。


         ・ ・ ・ ・ ・ ・
皆は今日の作られた火事をしらないだけなのか、
それとも知ってて―・・・



サボの頭はその事ばかりで、
家庭教師の話など全く聞こえない。






―・・・だがこの事実、
ここに住んでいる人間は皆知っている。

・ ・ ・
ゴミ山の住民以外は皆・・・。

ある王族はこう話をしているのだから・・・









国王「今日は風が強いな・・・」


「さようですね国王様"」


国王「事故も起きやすかろう、火事など気をつけねば」


「全くでございます国王様」































父「サボが屋敷中にいない!?」




ここはサボの家。
サボが屋敷内に居ないという。


父親は、また脱走か、とカンカンだ。

あのドラ息子!!と叫んでいる。





父「探せ!!高町"中を!!
  高町"からはそう簡単には出られん!!!」























―――その頃サボ―――





「ゴミ山"で今夜火事が?」





サボは本当に皆火事の事を知らないのかを
聞く為に家を出たらしい。


ちょうど今、聞いているところだ。


サボは、知ってないから普通でいてる筈だ、
と思っているが・・・


だが返ってきた返事は、

サボの思考を根ごと引きちぎる。








「そんな事知っているが・・・それがそうかしたかね?」


「!?(知ってる・・・!!?)」


















次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ