*約束はいつの日か*

□生きている失態
1ページ/3ページ










サボ「お・・・おい!もうそれ以上話すな!もういいよ!」







よしみの知られざる、
壮絶すぎる過去に、皆は何も言えない。


そんな中サボがもう我慢できなかったようだ。


だがよしみは、











『ぅ、ううん・・・大丈夫。・・・き、いて・・・。』


ダダン「無理はしないでくれ・・・」


『・・・あ、いがとダダンさ、ん・・・。』











聞いたのは自分だが、無理はしてほしくない。

そう思ったダダンだが、よしみはまた、話し始めた。



































――― そして少女はまだ1歳足らずで海軍支部へ。




その時も少女はやはり、泣かないでいた。

1歳ということもあり丁寧に扱えと言われ
少女は今、熟睡中だ。












「でっもまぁ、こんな赤ん坊が何か"の能力を・・・ねぇ。」


「はは、まじ驚いたわおれも。

 ・・・でも、こんな小ぃせぇ時からじゃなくても、
 良かったんじゃねーの?」


「まーまー。それよりさ、
 海軍大将青雉から言われたんだぜ!?

 おれ初めて話したよ。
 噂ってこえーもんだよなぁ。

 まぁそのおかげで、
 大将青雉さんと話せたんだけどよ」


「まぁな。おれもあん時は心臓もたねぇかと思ったぜ。

 こいつも人の欲望に売られたってわけか。
 可愛そうだなー」


「同情してる場合か!それ程価値のある奴なんじゃね?」


「ははは、そーだな。」















そんな他愛もなく冷たい話をしながら、
海兵達は少女から離れていった。



少女はむくり、と起き上がる。



そして何を思ったのか、

右手にある開いている窓へ体を寄せ、
窓から落ちようとした。



まだ力が全くないなりに、逃げようとしたのか。


だがそんな行動は直ぐに塞がれた。









「あーあー、逃げんなよ。

 もしそれで落ちて死んだらおれらのせいだぜ!?
 勘弁しろよ。」









先ほど会話していた1人の男に。


































―――――――――――――――――
―――――――――――――
―――――――――







そんな風に隔離されながら、2年が経った。

少女は3歳になっていた。




少女の身体能力の伸びの良さは、
普通の子供の身体能力をはるかに上回っていた。



3歳といえど、もうこれは3歳児じゃない。











『・・・・・・』











少女は無言で外を見つめる。
今日は雨だ。



・・・あれから二年。



身体能力だけでなく、
知能も並外れた良さを持っていた少女は

何度思ったことか。










―――逃げたい、と。









3歳でここまで考えるほど、少女の頭脳ゆえ知能はすごい。



だが全くと言っていい程少女は無口なので、
時たま話す言葉は、聞き取れないほどカタコトだ。




知能は優れていて物事を考えるのに適していても、

言葉に変えられない。



といった所か。








そういう少女の体には、誰につけられたのか・・・


切り傷や縫い傷、

肌とは言えない程に色が変色している痕が
数え切れないほどある。





中には少し古傷のもの。



1歳の時にすでにつけられたのか・・・。



それとも傷の増え方が早すぎるために古傷に見えるのか・・・。





どちらにせよ、3歳のこの少女がこんなに傷を負っても

まだ普通に動けているのは、
身体能力ゆえに回復力が尋常じゃないからか。




少女は呟いた。











『・・・・・・ま、た、来た』











足音もしないのに、誰かが来てまた"何かがある、
ということを少女は悟った。


この少女は人の声、というより、気配がわかるようだ。





少女は呟いたあと、悲しそうに目を窓から下へ伏せた。


眉間には少しシワが入り、


何か辛そうな顔をしている。









―――ガチャッ









海兵が数人、入ってきた。



















次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ