*約束はいつの日か*

□生きている失態
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こんな毎日を繰り返して数年。


本当に、この普通な少女に一体、何の能力があるのか。


でも、それはもう、分かっていた。












「おー来た来た。おれ達のペットよ。」


「今日はどーする?
 へへ、部屋に入れるか可愛がるか能力の訓練か。」


「そーだなぁ。
 ・・・まあ、最近は可愛がってばっかだし、

 そろそろ能力訓練しねぇと・・・
 おれらが怒られんだろ」


「よし、おらペット行くぞ」


『・・・は、ぃ』














数人の海兵達は、少女をペットとして扱っているのか。


可愛がる。


ということは・・・今までの少女の傷のことか。




少女は静かに返事をした。
しかし、返事をして少女はハッとした。


             ・ ・ ・ ・ ・
間違えてしまった。返事の仕方を。













『!あっ、ぇ、と、・・・にゃ、』



ガンッ!!!



『っ・・・』


「テメェはペットだぜ!?返事も言葉もニャーかワン!
 人間真似てんじゃねぇ!!」













少女は言い直そうとする。
にゃあ"と鳴こうとする。



遅かった。



一人の海兵が遠慮なく少女の腹を蹴る。




飛ばされ尻餅をつき、
だが少女は直ぐに起き上がると震えながらこういった。


少女は泣かない。















『ご、めなさ・・・っにゃあ!・・・にゃあああっ!!!』


「おおそうだそうだ。
 お前は利口なペットだ。そうしていればいい。」


「一生おれ達のペットだ」


「ははは、犬でもいいんだがなあ」


『っ・・・ぁ、わ、んっ・・・わん・・・』


「お前ら楽しそうじゃねぇの?」


「まーなー」














謝ろうとするがすぐに言い換えた。


震えながらも海兵の気を良くしようと擦り寄る。


海兵は笑いながら少女の頭を撫でる。


ペットとしての扱い。暴力。
精神がおかしくなりそうだ。














「でもあんまり虐めんなよ?
 こいつの能力が暴走したらどうすんだ。」


「あー?だからさせないように可愛がってるんだよ」


「ぎゃはははは!そうだったな。」


「早く行くぞ」


『・・・にゃあ』















能力が暴走したら。

それを聞いて海兵達は少し身震いした。























そして海兵達が来た部屋・・・ではなく、
少し離れた周りに策があるが、ここは外だ。














「よし、少将からの連絡は、
今日捕まえた囚人たちを何人殺せるか"だとよ。」


「ほぉ・・・今日はざっと10人ほど捕まえたって話だったな。」


「ああ。まあてきとーにやらせとけばいーんじゃね?

 おいペットもう始めていいぞ。
 出来るだけ殺せ。」















訓練とは、毎日色んな所で捕まえる、
まだ名も無い有名ではない海賊を捕まえて


海賊たちを少女が何れ程倒せるか。

だそうだ。





まだ有名ではない素人海賊だとしても、一応海賊だ。


一般人よりははるかに強い。



それを少女が能力をより良く操れるようになるために、
能力を使って倒すそうだ。



まだ操りきれていない少女には、難しいことである。




海兵に始めろ。
と言われ少女は静かに前へ出る。



それを確認し海兵達は後ろへ下がる。


というより、建物に隠れる。














「おー怖ぇ怖ぇ。
 おれ達でさえ倒せるか難しい敵なんだぜ?」


「そうだな。

 てかまだアイツ、
 この訓練で怪我して帰ってきたことねぇよな。

 ・・・ゾッとする。」



「・・・って言ってもアイツ、毎回海賊(敵)の事、
 殺さずに瀕死にさせるだけじゃん。

 殺せっつってんのに。

 ま、テキトーにやらせとけばいいんだよ。」



「バッカオメェ!もしおれらが見放してる間に、
 アイツが死んだらどうすんだよ」















海兵達は建物から少女を見、世間話をしている。


アイツとは少女のことだ。




海兵達によると少女は、
訓練して帰ってくるのに怪我をした事がないという。


海兵がもう一度少女の方を見る。



























『・・・にゃあ』


海賊達(賊)


賊「・・・にゃあ?・・・なんだこいつ」


賊「・・・どちらにしろ何かの罰だろ。
  ここはもう海軍支部だぜ?

  おれら海賊には関係ねぇよ。」


賊「はぁ・・・お先真っ暗だ。」











海賊たちは海軍に捕まったばかりで、
これからインペルダウンという、


精神的に・・・いや、

体すべてを滅ぼすような所へ連れて行かれる前だ。





インペルダウンは海賊が海軍に捕まり、
連れて行かれる所。




階ごとにlevelがあり、そのlevelは6まである。


レベルが高くなるほど、
凶暴で手強い海賊が捕まっている。


中には伝説と言われる海賊まで。





この海賊たちならまだド素人の海賊。


level1で間違いないだろう。




そこへこれから連れて行かれると知ってるだろう彼らは、
精神的にもうズタズタだ。





















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