Sweet love
□見えない貴方
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あの日から一週間
恋人としては何も進展はないままだがハイデリヒさんがよく笑ってキスをしてくれることが増えた
そんな些細なことが僕らにとっての幸せ
「ハイデリヒさーん」
「アルくん!!」
ぎゅっとハイデリヒさんに抱きつく
優しくていい匂いがする
「ハイデリヒさん、今日ね兄さん部活で来るのが遅れそうなんだってさ
だから、今日は僕がハイデリヒさん独り占めにするの♪」
昨日は僕が部活で来れなくて兄さんはハイデリヒさんとイチャイチャしてたらしい今日は僕の番だ
「アルくんは甘えん坊さんだな
そこが可愛いんだけどね」
「えへへ…甘えん坊なの知ってるの兄さんとハイデリヒさんだけだよ
大好きな人の前でしかやらないも〜ん」
「ありがとう…
明日は二人でここに来てくれると嬉しいな
勿論アルくんも大好きだけど僕らは三人一緒が何より幸せだと思うから」
「当たり前だよ
でも、たまには独り占めにしたくなるんだもん
いいでしょ♪」
「いいよ
僕も二人っきりでいるの楽しいからね」
僕はハイデリヒさんに膝枕してもらう
ハイデリヒさんは僕の頭を優しく撫でてくれる
「ん…ハイデリヒさ…ん
眠くなってきた…
少し寝てもいい?」
「いいよ
ゆっくりおやすみ」
すーすーと規則正しい寝息を立ててアルは寝始めた
可愛いアルくんの頭をもう一度撫でる
「可愛いな…
大好きだよ
これからもずっと三人一緒にいたいね」
「ムニャ…ハイデリヒ…さ…ん…」
僕はもう一度アルくんに触れようとした
けれど僕の手はスッと消えた
「えっ…」
もう一度手を見ると消えてなくて気のせいかなと思いながら何処かこの幸せが消えてしまうのを恐ろしく思った
僕はもうすぐ消えてしまうのか…
イヤだ…イヤだ!!
僕はアルくんを抱きしめた
怖くて…
消えたくなくて…
「んぅ?ハイデリヒさん?どうかしたの」
「なんでもない…暫くこうさせて…」
「いいよ♪」
僕は幽霊だから仕方ないのにね
でも、まだ時間があるはずだ
もう少しだけ僕に時間を下さい
僕はそう願った
あれから数日たったが消えたりしていない
見間違いだったのかもしれない
「あれ?」
アルくんが目を擦る
「どうした?アル」
「なんか、今ハイデリヒさんが透けて見えたような…」
「ぇ…」
「気のせいみたい
最近部活で疲れてるし…」
そういってアルくんは誤魔化していたが数日前に消えたような感じがあったからもう時間があまりないのだと悟った
「エドワードさん、アルくん…僕とエッチしませんか?」
「「えぇーー!!!」」
真っ赤になりながら驚く二人
「どうしたのさ
ハイデリヒ
そんな…急に…///」
「ハイデリヒさん?」
「前から考えていたんです
二人とエッチしたいって…
お願いします///」
これは本当
でも、最後の別れがやってくるなら早くしないという気持ちもあった
最後のわがままでも構わない
消えてしまえばエドワードさんたちは前と変わらず兄弟で愛しあえる
でも、僕は無理
だったら思い出にしたっていいから…
二人と繋がりたいのだ