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□小話 2
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*ある寒い日の巨蟹宮*


「……シュラ」
『何だ?」
「暑い…;」
『俺は暑くない』
「…俺が暑いっつーの!それにここ、巨蟹宮!お前の宮じゃない!!」
『そんな事は判っている』
「ッ…(ムカ)」
(無言でエアコンの温度を8℃下げる)
『…ッ!(寒)デスマスク!!』
「うるさいっ!ここは俺の宮だ。ここにいて寒いなら上に何か着るか、羽織るかすればいいだろうっ!」
『そんな事したら動きにくいだろうが!』←厚着が嫌い;
「…大体なぁ、室温設定30℃の方が明らかにおかしいだろう!しかも真冬にシャツ一枚で生活しようとするな、このバカっ!!」
『ならば、冬場の巨蟹宮の電気代は俺が支払う。それで文句はないだろう(真剣)』
「あああ……そういう問題じゃない;(頭を抱えて溜息)」
『じゃあどういう問題なんだ?』
「はぁ;…俺さ、暖房って苦手なの。ほどほどがいいの…頭ぼーっとしてくるから嫌なの…」
『…』
「…もういいや、また温度上げろや。俺寝室行くから…(若干ぼんやり中)」
『!…ッ』
「……………何?」
(薄地のセーターの端を引っ張られ、気だるそうに訊ねる)
『……』
(行かないで欲しいのに上手く言葉が出ず、視線を彷徨わす)
「…はぁ;ちょっと待ってろ」
(手を離させて一旦寝室に引っ込む)
「シュラ…こっち来い」
(寝室から戻るとソファに座り、隣を叩く)
『?』
(コトリと首を傾げながら言われたままに隣に座る)
「ほら…これなら寒くないだろ?」
『///…ッ』
(薄地のストールを肩に掛けてやり、頭を自分の肩に抱き寄せる)
「寒いならこうすればいいんだよ。判った?」
『ああ……デス』
「ん?…抱っこがいい?」
『…ん』
(両腕でしっかりシュラの体を抱きしめる)
「(今度シュラ用にホットカーペットでも買ってくるべき?)」
『…こういう暖の取り方もいいな(やんわり微笑みながら肩口に顔をすり寄せる)』
「…そう?」
(今の状況がまんざらでもなさそうなシュラの頭を優しく撫でた)


*補足*
ウチのシュラさんは寒がり。だけど厚着はしたくない。
ウチのデスは暖房が苦手。つーか寒さには強い。そこそこは使うけど、必要最小限であとは厚着でカバー。
そんな二人が一つの所に留まっていれば、いつかは起きるであろう騒動かと。
基本甘やかしな蟹は少々なら妥協しますがね。でも異常な暖房は無理だった…;
で、考え出した妥協策が肩掛けストールと抱っこ。
多分シュラの方としては棚ボタだよ。
シュラはデスに抱っこしてもらうの大好きv
それが暖房我慢するだけで1シーズンいつでも抱っこしてもらえるんだから儲けもんでしょう?(笑)

*2012.12.06 掲載





*甘えた*

「シュラ」
『何だ?』
「……ぎゅってして」
『は?』
「ぎゅって(両腕を広げる)」
『……』
(抱きしめて貰いたいのは判ったが、いきなり言われた為に若干思考停止)
「…………ちょっと黄泉比良坂に行ってきます」
『ッ…!ま、待て!!』
(デスの言葉に思考復活。慌てて胸元に頭を両腕で抱き込む)
「…あったかい(胸元に擦り寄る)」
『;いきなり何を言い出すんだ、お前は…」
(溜息を吐きながら擦り寄る頭を優しく撫でた)
「たまに…無性にして欲しくなるんだよ」
『?…何を?』
「こうやってシュラにぎゅってして欲しくなるの」
『…』
「シュラにこうして貰うと…安心するし落ち着くの、俺」
『少し、不安定だな…小宇宙が』
「…でも、シュラがぎゅってしてくれたから…もう平気」
『デスマスク…』
「大丈夫。別に死にたいとかじゃなくて…何だろうな…?時々、無性に黄泉比良坂に行きたくなる時があるんだよ」
『行ったら聖剣喰らわすぞ…』
「だから今シュラに言ったんじゃん!(拗)」
『(溜息)…そうなる前に言え。いくらでもぎゅってしてるから』
「…ああ」
『この馬鹿が…』
「馬鹿だもん」
『俺が傍にいるんだってちゃんと覚えておけ。勝手に居なくなろうとするな。死のうとするな』
「…うん」
『馬鹿…』
「シュラはあったかいな…」
『お前だってあったかいだろうが』
「………そっか」


*補足*

ウチのデスマスクさんは死にたがりなので、年に数回無性に黄泉比良坂に行きたくなります。恐らく行ったが最後、帰ってきませんよあの人は。
でも、今はシュラが傍にいて常にあったかい気持ちを沢山くれて…だから今回は黄泉比良坂に行きたくなったから行ってみた?
甘え方を知らないから直球勝負。でもウチのシュラくんなら大丈夫さ!ちゃんと受け止めてくれる。
器用何だか不器用なんだか…ウチの蟹さんは;

*2012.12.11 掲載*





*教皇宮執務室にて*


「お師匠…」
『ん?どうした…マニゴルド?』
(執務の手を止めてマニゴルドに視線を向ける)
「いや…ただ呼んでみただけ」
(へへっとはにかみ笑いを浮かべるも、視線を向けて貰えて嬉しそう)
『…全く、お前という奴は…』
(口ではそう言うも愛しむような手つきでマニゴルドの頭を撫でる)
「俺…こうやってお師匠に頭撫でて貰うの、好きだな」
『そうか…』
(マニゴルドの言葉に柔らかな笑みを浮かべた)

*初セージ×マニゴルド 2012.12.15 掲載*





*酔っ払い*


「(いい加減寝てくんないかな…この人;)」
(床に転がったまま他人事のようにぼんやりと思う)
『……デス?』
(こてんと首を傾げて不思議そうな表情を浮かべながらデスマスクを見下ろす)
「ん?いい加減下りてくれる気になったか?」
『嫌だ…』
「あのさぁ;…地味〜に重いから、俺的には下りて欲しいんだけど?(顔真っ赤だけど、大丈夫なのかな、シュラ)」
『やだっ!』
(デスマスクの体に跨ったまま、ぎゅっと首に腕を絡ませて抱きつく)
「おいおい…;(シュラがこんなに酔うなんて珍しいよな…)」
(シュラの背中をあやしながら打開策を思案中)
『ん〜…デス、あったかい』
(デスマスクの首筋に顔を擦り寄せる)
「(ホント、このまま寝てくれないかな…;)」
(とか思いながらも擦り寄ってくるシュラの頭を優しく撫でる)
『デス〜…?』
(ふと顔を上げる)
「な〜に、シュラくん?」
(こちらを見つめるシュラに優しい笑みを浮かべて問いかけた)
『デスだ〜いすきv(無垢で幼い表情で満面の笑み)』
「………(目の前の笑みに思考停止)」
『ちゅ〜〜v(幼い笑みを浮かべたまま唇に吸いつく)』
「ッ!!(ぎゃ〜!何これ!!)」
(唇に喰らい付くシュラに一人困惑)
『今度は、ね。デスから…チューして?』
(更に赤らめた頬と潤んだ瞳を晒しておねだり)
「あの…シュラ;かなり酔ってるでしょ?」
(かつてない状況に些か戸惑う)
『俺にチューするの……いや?』
(望んだものがすぐに得られない事にシュンとし、瞳に涙を浮かべる)
「(駄目だこりゃ;)はぁ…そんなにチューして欲しいの?」
(目尻に溜まる涙に唇を寄せる)
『うん…デスに、チューして欲しい(チュッとデスの頬に口付ける)』
(そう言うシュラの体を抱きしめ、望まれるままに唇を寄せた)





*余談*
酔ったら凄いんです…シュラ。
普段じゃ言えない事や我慢している事とか…とにかく大胆になると思うのです。
それを目の当たりにして戸惑うデスマスクとか楽しいよねvv
この後はデスマスクに甲斐甲斐しくだっこされて、酔っぱらったまま上機嫌のシュラは寝室で美味しく蟹に食べられているといい!!

2012.12.17 掲載

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